久しぶりにこの「場」を通りかかると、解体工事が進められていた。
『おおもり語らいの駅』。当院とみま~もの連携により生み出した全世代対象対応型居場所です。コロナの状況が見えない中、2020年6月30日で事業を中止しましたが、それまでの3年間で、子どもから高齢者まで、述べ3万人の人たちがここを訪れてくれた。
この建物の中で取り組まれていた、多くの人たちの営みからたくさんのことを学んだ。
「専門職」という肩書きを背負ったまま地域に出ていっても、「暮らし」の中ではしょせん「専門」というその人たちにとってのほんの一部分しか関わることができないこと。その一部分しか知ることはできないこと。
「専門」の中で私たちができることはあるが、その前に「暮らし」という地域の息づかいが聞こえる中にこそ、私たち専門職ができることがあるということ。
地域の主体にふれることで私たち専門職が学ぶべきものがあるということ。そして私たち専門職も、専門職である前に地域の構成員だということ。
建物はいつか消えていく・・・。でも、ここで出会った人たちの「暮らし」は続いていく。みま~もは、ここでつながった人たちの「これから」に寄り添い続けていく。「場」はつながるためのきっかけでしかない。「おおもり語らいの駅」はここに関わった人たちと私たちをつないでくれた。そして、私たちはこの「場」がなくなってもこの場に関わった人たちのものがたりを一緒に紡いでいく。