大田区発の地域包括ケアシステム-おおた地域見守りネットワーク(みま~も)

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2018.3.5近道などない!
  • 「 医療でも、介護でも、子育てでも、地域連携だって言うじゃない。

    でもね、厚労省あたりが提示するモデルケース通りにやっても失敗するでしょう。それは地域ごとに暮らしの事情があって、そこにいる人たちも多様だから。

    手間をかけてつながっていくことが大事。頭を下げたり、義理人情を尊重したり、べたで汗かいて一人ひとりと共有する時間を1分1秒でも多く積み重ねていくような取り組みが連携だと思います。

    自分や自分の組織と相手の考えや思惑がちがうとき、上手くつきあうのは手間がかかる仕事です。だから、できればやりたくないけれど、そこで汗をかいた者同士だけが連携できるのです。

    なぁなぁの成り行きで仕方なく地域のお付き合いをするのではなく、戦略をもって多様な人たちを巻き込んでいく。
    強力な組織をコアに、そこへ参加するような連携もあるけれど、みま~もは組織の大きさや意識の差を飲み込み、フラットな関係でつながってます・・・。 」

    昨年、 ソーシャルジャーナリストAさんが、『 週刊医療タイムス 特集 ~地域に飛び込む医療~ 』 に、このようなみま~もについての記事を書いてくれた。書いてくれた。

    地域包括ケアシステムという言葉すらなかった平成20年当時、専門職が地域にある様々な企業に協賛という形で協力を求め、自ら地域に飛び込み、まちづくりを進めていく。

    不安がなかったといえばウソになる・・・・。先への不安・・・・、もちろんありました!

    区内にあるたった一つの地域包括支援センターが地域のネットワーク構築に動き出す。
    当時の大田区担当課長にお伺いを立てるため区役所へ。

    私の報告を黙って聞いていた当時の課長は最後にこう話した。

    「わかりました。澤登さんと澤登さんの母体法人である牧田総合病院が、何かあったら一切の責任をとる。そうであればやってもいいですよ」と・・・。

    当時の私は10年分まだまだ若かった。課長のこのような物言いにおじけづきもしました。

    でも、「やってはいけない!」とは言われなかった。

    「責任をとればやってもいい」ということだと課長の言葉を理解した。

    だからみま~もを生み出し、活動をスタートさせた。

    行政の理解、国の流れ、何もないところからみま~もを生み出し10年・・・。

    唯一、自分を褒めてあげたいこと。それはやめなかったこと、歩みを止めなかったこと。

    もぐらたたきのように、相談に訪れることができた人をとり急ぎサービスにつなげる・・・。
    しかしこのような日々が、本当の問題解決にならないということはわかっていた。しかも、今後の高齢化の進展に伴いこのような状態はさらに加速する。

    ならば今、、専門職として何ができるのか???
    このようなことを考えながら、気がついたら動き出している自分がいただけ・・・。

    地域に飛び出せばいろんなことがあります。かっこいいことなど一つもありませんよ !専門の肩書きなど通用しない。

    時に頭を下げてお願いしたり、謝ったり、嫌な思いしたり・・・。 でも、その中で、 「この人(組織・団体)とだったら、一緒に何ができるだろう???」 と考えて、動いてみる! この連続の10年間でした。

    今の自分が見える範疇で良かれと思うことが、相手にとって同じとは限らない。

    いや、 「ありがた迷惑!」 ということもある。

    だからこそ、どんなに手間のかかることでも、そこにいる 「人」 と向き合う過程だけはすっ飛ばかしてはならないと肝に銘じている。

    自分の見える範囲などたかが知れている。だから、いろんな人の意見や思いを聞く。

    この過程を 「 手間 」 だと思うなら、いろいろやらない方が周りのため!

    べたで汗かいて、人と共有する時間を1分1秒でも多く積み重ねる。それ以外に「連携」 につながる道程はあり得ない。

    みま~もの歩みを通して、つくづくそう感じています。

    今後もこの道程を積み重ねていくだけ。ネットワーク構築に近道はない。手間をかけ、ベタで汗をかいて、それしかできない、でもそれで十分・・・。

    プレゼンテーション2016

    みま~も飾り巻き寿司!

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    事業所: 全体

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