久しぶりにお酒を飲んだ。
飲んで話したい人がいたから・・・。
その人に聞いてみたいことがあった。
「あなたがここまで、一つのことを貫くことができるのはなぜですか?」
その人は照れくさそうにもっともらしいことを私に話した。
たしかにそうなのでしょう・・・・。でもその理由で、ここまでどんなことがあろうとも信念を貫くことができるのだろうか?
私は言葉を変えてもう一度たずねてみた。
「あなたを揺り動かしている力の源は何ですか?あなたの歩んでいる原点は何なのですか?」
その人は、しばらく考えていましたが、まっすぐに私を見てこう言った。
「それはあなたです!あなたがいたからここまでやってこれたんです!」
人が人を動かす。人に影響を与える。
自分などおこがましい。人に影響を与えるような自分ではない。
でも、自分も考えてみる。
「自分の力の源は?生きていくうえでの原点は?」
やはりこの目の前の人と同じように答えるのでしょう。
「この人がいたからがんばれた・・・」
完璧な非の打ち所のない人間がいるとしたら、お目にかかりたいもの。でも、お目にかかったところで自分に影響を与えてくれるかどうか・・・。
自分の原点は、同じこの時代の今を一緒に歩んでいる
人
苦しみや感動や楽しさを共有している人たち。
この人たちを愛おしく大事に思える自分でいたい。そう思える自分でいること。
それが「原点」であり、自分を揺り動かす力の源。
これがなければとっくに今、目の前に在ることを投げ出していたでしょう。
今、目の前に在るものから逃げ出していたでしょう。
これ以上、この人と、この話題で話すことはなかった・・・。あとは、久しぶりに、おいしい酒を飲んで盛り上がった!
また、これからしばらく酒を飲むことはないでしょう。飲める身体でいられるのはほんのひと時。
どこまで歩むことができるのか自信がない。でも、人を愛おしく感じ、人を大事に思える自分がいて、人のがんばりに心を打たれる自分だけはなくしたくない。
これもまた自分の原点。
これが自分になくなったとき、そっとここから離れましょう。
そうならないために、原点をいつもみつめましょう。立ち止まりそうになったら原点に戻りましょう。
最期まで、自分が自分でいたいから・・・。