大田区発の地域包括ケアシステム-おおた高齢者見守りネットワーク(みま~も)

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2012.6.17いのちのバトン
  •  わが包括には、「絵描きナース」という職員がいました・・・。
     この子がいなければ、今のみま~もの活動は、ちがったものになっていたかもしれません。
     熱い心の持ち主でした・・・。
     「これだ!」と思ったらまっすぐにそこに向かっていきました。壁が道を閉ざしても、それを乗り越えて、次に続く人たちに手をさしのべる・・・。
     そんな人でした・・・。
     4年前、この絵描きナースが、小学校6年生のわが子の学校で、「澤登さんの思いを子どもたちに伝えてほしいんです!」と、実現させたのが、認知症サポーター養成講座でした。
     絵描きナースは、包括の職員としてではなく、一人の母として、当時の校長に手紙を書きました。「子どもたちに、生命の大切さ、そして、認知症についての正しい理解をしてほしい。」
     学校としても、初めてのことでしたが、絵描きナースの思いに打たれ、実現させたのです。
     あれから4年・・・。
     最初にこの授業に参加した子どもたち、そして、絵描きナースの子どもも、高校生になっているのですね・・・。
     今年も同じ時期に、学校側から認知症サポーター養成講座の依頼の連絡が届きました。
     校長先生も、先生たちも代替わりしています。
     それでも、私のところへ、小学校から依頼が届きます。
     絵描きナースが残したバトン。それが、4年たった今もたしかな形でこの地に残っているのです。
     「絵描きナース・・・、澤登さん変わらずに、今年も子どもたちに伝えるよ。生命の偉大さを、人生のすばらしさを・・・。あなたにかわって・・・。」 
    この小学校で、4年目の認知症サポーター養成講座が始まります・・・。
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    この認知症サポーター養成講座には、多くのみま~ものスタッフである協賛事業所の皆さんが、仕事の合間に駆けつけてくれます。
    まずは、後半に行なう高齢者疑似体験の準備に取り掛かります。
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    これが、高齢者疑似体験セット一式。
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    子どもたちに教えるためには、まず、自分たちが体験することが大事!
    初めてこの認知症サポーター養成講座二参加するスタッフには、まず体験してもらいました・・・。
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    皆さん見事なまでの高齢者への変身振りです・・・ 
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    13:15分。
    5時限、6時限を使い、認知症サポーター養成講座を行ないます。6年生たち92名が集まりました!
    それでは始めましょう!
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     「生命を大切にするということは、まずは自分の生命を大切にすること。もう一つは、人が、人の生命を大切にするということ。
     今日は、人が人の生命を大切にするということはどういうことなのかを、あなたたちと考えていきたいと思います!
     隣りの人と目を合わせてごらん?自分の生命も大切。今日はもうひとつ、この隣にいる人、自分のすぐそばにいる人の生命について考えていきたいんです・・・」
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    ここにいる一人ひとり、多くの生命のバトンを受け継いで、今、ここにいる。だから、一人ひとり、今を生きているそのことが、かけがえのない大切なことなんです。
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    「この子は誰でしょう?わかったら手をあげてみて!」 
    この話しには、小学校の担任の先生に協力してもらい、先生の写真を提供してもらいました。
    自分の前にいる先生も、生まれた頃から先生だったわけではない、大人だったわけではない!みんなと同じ!
    お母さん、お父さん、そして、友だち・・・。多くの人との出逢いの中で、今の先生がいるんです!
    先生に聞いてみました。「いつ、先生になりたいと思ったんですか?」
    「小学校2年生のときです!」
    子どもたちからは、歓声が起こりました。
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    「今日は、皆さんに紹介したい詩があります。その詩は、脳性まひの少年が、世間の目を払いのけて育ててくださったお母さんへの強い感謝の気持ちを綴った詩です。
     Aくんは奈良県明日香村にある養護学校に通っていました。
     当時奈良県では、身体の不自由な人たちが集う施設創ろう!という運動が起こりました。
     その資金集めのため、障害者施設に通っていた子どもたちの詩に、曲を付けてコンサートをやろうという話が持ち上がりました。
     Aくんは誰よりも、詩を作りたい!という意欲を見せたそうです。
     『 それでいいよ 』 というときには目を閉じる。そして『 ちがうよ 』 というときには舌を出す。という合図を先生に送りながら、自分を一生懸命支えてくれているお母さんに詩をプレゼントしました。
     それが、これから紹介する詩、 『 お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい 』 です。 」
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    この詩を読んだお母さんは、Aくんにあてた詩を作り、翌日、先生に手渡しました。
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    お母さんが作った詩を読んだAくんは、新たな詩をお母さんに贈りました。
    コンサート当日の舞台には、担任の先生が詩を朗読する隣りに、誇らしげににニコニコしているとお母さんの姿がありました。
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    それから2ヶ月もたたずにAくんは亡くなりました・・・。
     全身不自由だったAくんは、昭和50年6月、風邪をこじらせて休んでいました。何かの弾みで、枕で鼻と口をふさいでしまい、15年の一生を終えました。
     言葉の不自由だったAくんは、来客の接待中だったお母さんに「助けて!」の声を上げられず息を引き取ったのです・・・。
     Aくんが亡くなってから、35年が過ぎました・・・。
     今が「障害を持つ人も、持たない人も、分け隔てのない時代」に向かっているとすれば、その原点の一つはここにあると思います。
     Aくんの人生は15年という短いものでしたが、Aくんが生きた証は、今もたしかな形でここにあるような気がします。そして、これが「生命のバトンを受け継ぐ・・・」ということなんだと感じます。
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    6時限目になりました!
    いよいよ、高齢者疑似体験です。
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    まずは、わが包括たぐナースから、この疑似体験を行なう意味を伝えます。
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    疑似体験セットは10セット用意しました。
    スタッフは20名!高齢者疑似体験のスタートです!
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    先生たちも、体験しました。子どもたちも、準備を手伝います。
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    「わぁ~こわい!絶対手を離さないでよ!」
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    認知症サポーター養成講座が終わりました。92名の小学6年生認知症サポーターの誕生です!
    6年生たちから、みま~もの皆さんに・・・、 
    「ありがとうございました!」
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    授業が終わり、みま~ものスタッフの皆さんは、それぞれの職場に戻って行きます。
    「ありがとうございました!」
    皆さんが関わってくれるからこそ、このように、子どもたちとまっすぐに向き合える、このような内容の講座ができるのです。
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    金次郎くん!さようなら!
    また、来年な!
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