ふっと、手にとった一冊の文献を読み始めると、自分の目に飛び込んできた単語があった。
「ソーシャルキャピタル」
日本語でざっくり訳すと、
「社会関係資本」 となります。
自分自身が関わっている社会福祉という分野の中で、「資本」という言葉はあまり縁がない・・・というか、用いることがない。
経済学では、資本には、「金融資本」、「物的資本」、「人的資本」が考えられますが、この、カネ、モノ、ヒトがたんに「資本」であるだけではなく、
それらを有効に活用しつなぎ合わせるもうひとつの第4の資本 があるという考え方。
それが、第4の資本「社会関係資本」=「ソーシャルキャピタル」なのだそうです。
地域に暮らすヒト、地域で働くヒトを同じ方向に向かわせる原動力であり、「地域の力」となり得る第4の資本。
おおた高齢者見守りネットワークの取り組みを通して、考えていたいろいろが、この文献を通して、一気に視界が開けた気がしました。
今まで、この「ソーシャルキャピタル」を意識して、みま~ものネットワーク構築を積み重ねてきたような気がします。
このソーシャルキャピタルの構成概念は、信頼、ネットワーク、お金以外の報酬でのつながりの深さ。
地域包括ケアシステムの中核を担う、地域包括支援センターで働く私たちが本当の意味で理解しなければならないのは、地域包括ケアシステムを展開する舞台は、「地域!」であり、主役は「そこに暮らす人々」だということ。
例えば、この舞台と主役を抜きにした演劇など成り立つわけがない。
自治体や地域包括支援センターが、
ネットワーク構築と大風呂敷を掲げても、片思いは成就しないんですよね。
地域の人たちが、どれだけ地域包括支援センターを認知しているか?
そして、自分たちに必要と感じているか?
身近なものとして感じているか?
これって意外と大事な要素だったりする。
なぜなら、相互理解があって、初めて信頼関係というのは成り立つものだからです。
そして、信頼関係を構築する上での柱は、「何かをしてあげる」ことではなく、共通の体験によるものだと思うんです。
ともに学び、ともに楽しみ、ともに価値あるものに取り組む。この過程の中で共感が生まれ、信頼が育まれていく。
この部分が、自分が働く地域でイメージできるかが、ネットワーク構築を進める大きな一歩だと思います。
この一歩が、地域包括支援センターと地域との信頼関係を築き、金銭以外の価値あるものでつながり合うネットワークを醸造するのだと思います。
このような地域との関係性(ネットワーク)が築かれた地域での、地域包括支援センターの業務は、きっと円滑に機能していきます。
地域包括支援センターが開催する事業に、多くの人が集まり、閉じこもりがちな高齢者を、地域の人たちが適切な時期に包括につなげてくれる。虐待事例などの情報収集も容易になっていくでしょう。
つまり、ソーシャルキャピタルの視点を持ち、このソーシャルキャピタルが豊かな地域づくり、ネットワークづくりを構築していくことの方が、じつは早道なんですね。
一生懸命取り組んでいるが、、地域との信頼関係を構築する協働の過程を踏まずに、地域包括支援センター業務を遂行していくことは、近道のように思えますが、達成感なく疲弊してしまうだけ。
今一度、自分たちが日々努力している業務を、ソーシャルキャピタルの視点から考えてみませんか?
今回の記事は、『ソーシャルキャピタル』のことを書いてきましたが、本当に書きたかったことは、
実践の中で、必要だと感じたことを学ぶということは楽しいということ。
それだったんです・・・
みま~もステーションで関わっている商店街で取り組むお祭り!
「石巻復興フェア」 のポスターが、商店街組合から届きました!!
私たちみま~もが取り組む、
「涼亭 みま森」のこともしっかり入れてくれていました。
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さっそく、包括玄関前にある包括ガーデンのところに掲示!!昭和の夏、大森の夏・・・・。待ち遠しいですね!
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