大田区発の地域包括ケアシステム-おおた高齢者見守りネットワーク(みま~も)

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2011.9.3見えないものの中にある大切なもの
  •  「澤登さんとかかわるようになってから、町を歩いていると、いろんな人から声をかけられるようになりましたよぉ・・・」 
     先日、協賛企業であるカドヤ建設常務取締役 Nさんが、私にまんざらでもない笑みを浮かべ、こう話してくれた。
     「最近、大森を歩いていると、顔見知りの方にちょこちょこ出くわすようになりました。そのたびに、みま~もでここはあたたかい地域になっているな~と感じます。
     みま~もの高齢者の方との出くわしと会話は、専門職といった枠組みより、ちょっとした世代間交流?(この取り組みに参加させていただき、世代を超えたお付き合い)ができていてうれしいです!!」 

     あらたにみま~もの後援団体となった、東京都健康長寿医療センター研究員 Kさんも、自分の感じていることを、このように私に表現してくれました。
     
     今から4年前・・・。みま~もを発足する1ヶ月前の2007年11月20日発行 『 おおた社会福祉士会会報 』に、自分が描くネットワーク構築についてこのように書いています。
              ↓
     「(前略)・・・そして何よりも嬉しかったのは、地域住民と専門職が顔を向き合わせ、認知症の人が、「患者」や「利用者」としてでなく、「住民」として暮らし続けることができる地域を創造していく第一歩が踏み出されたことです。
     私たち包括支援センターの役割は、地域に暮らしている方々、各専門の方々に、「ここは、○○をしているところ、だからこういうときに気軽に相談していいところ」、「ここへ行くと○○さんや△△さんがいて、話しをよく聞いてくれるから安心」という地域の一部にとけ込んでいくことが大切だと感じています。
     自転車で訪問に出る。商店街を走ると弁当屋・肉屋・八百屋、路地に入ると、民生委員、ケアマネージャー、介護者などから声をかけられたり、呼び止められたり、なかなか目的地につけない。このような出来事の一つひとつが私たちの誇りであり、やりがいにつながるのでしょう・・・。」

     
     そう・・・、自分が描くネットワーク構築とは、形ではなく、このような日常の中に育まれる持続的なつながりの構築なんです。
     形だけを追っていっても、いざというときに本当の意味での力は発揮されない。
     持続性・継続性を持った、つながり合うつながりの太さ、強さこそが大切!
     別に仲良しこよしの関係が最終目標ではありません。
     あくまで、私たちの最終目標は、地域で暮らす、地域で働く人たちとの強く、太いネットワークを構築し、自らはSOSの手を挙げることのできない人たちに、自分たちみま~もに関わる専門職の手をさしのべることができること。
     この目標に向かって、つながりの強さ・太さを、楽しさ・充足感・達成感・感動の中から創り出し、前へ進めていきたいと思っています。
     形や実績を、最初から追い求めるようなものには、結局何も生まれ、育む要素など築くことはできないんです。
     目には見えない、だけど、価値あると実感できるものにこそ、人は本質を見抜き集まってくる。多くの人が心動かされ取り組むものだからこそ、そこに大きな力が生まれる。
     「何、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、物事はよく見えないってことさ・・・。かんじんなことは目に見えないんだよ・・・」
     「星の王子さま」の本の一節です。
     かんじんなことは目に見えない・・・。
     今の社会は、肝心なことを、さらに目に見えて感じることができにくい社会です。でも、やはり人は、そこに心動かされ、求めているもの。
     どんなに社会がめまぐるしく変わっていこうとも、人間にとって大切なものは変わらない。
     私はそう思っています。
     そこをずらして、自分は歩みを進めようとは思いません。
     大切なものは、自分自身のすぐそばに、いつもの日常の中に在る。だから、日々を大切に育んでいくんです。
     何も質が高く、崇高なところに大切なものが在るわけじゃあない!
     ここに、日常の何気ない日々の中に在る大切なもの。そこを感じる自分でいたい。
     そして、そこに価値を見出し、自分の力を注ぐ・・・、そうありたいと思います。
    みま~も発足へ自分を向かわせた、当時の思いを書いた文章が掲載されている、平成19年11月20日発行 「おおた社会福祉士会会報」は、こちらをクリックしてご覧下さい。
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