以前、劇団わらび座の舞台劇 『 カンアミ伝 』 を観たことがある。
「カンアミ(観阿弥) 」とは、今日に伝わる能楽の元祖ともいうべき人物 です。
14世紀室町時代、農民層を相手に細々と興行していた猿楽(今の能楽)を、一躍 表舞台の芸能に引き上げ、また、自身いろいろな試みを通じて、その芸術性を飛躍的に高めました。
観阿弥の息子 世阿弥は、父(観阿弥)を継ぎ、能楽をさらに深化させていくとともに多くの伝書を残しました。
その中の一つ、「風姿花伝」の中にある言葉、
『 離見の見 』
「離見」とは意訳すると、自分が演じている 『 舞 』 を、客席から見ている観客の目で自分を見なさい、ということでしょうか。
観客は他者ですから、「他者の眼を持て!」と、世阿弥は説いているのです。
何よりも常に冷静な心で、他人の眼差しをわがものとし、独りよがりになることを避けるよう心掛ける。
むずかしい・・・。
でも、努力したいと思う自分がいる。
そうしなければ、自分と立場のちがう人と本当に向き合うことなどできないから・・・。
「離見の見」を獲得することによって、今まで見えなかったものが見えるであろうから・・・。
昨日とは、ちがう景色が見えるようになるだろうから。
今までとは、ちがう景色が見たいから。
わが町大森にも、桜の花が訪れました。
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