大田区発の地域包括ケアシステム-おおた高齢者見守りネットワーク(みま~も)

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高齢者見守りキーホルダーは、緊急時に高齢者の身元確認等が行えるシステムです。
高齢者
見守りキーホルダーSOS KEYHOLDER SYSTEM

緊急時に高齢者の身元確認等が行えるシステムです。

高齢者見守りキーホルダー誕生の経緯

SOSみま~もキーホルダー登録システム誕生の経緯 「みま~も」が、地域に暮らす高齢者に届けた「安心のかたち」。それが、「高齢者見守りキーホルダー」です。
そのきっかけは、活動2年目となる平成21年6月に開催した「医療の安心~今から備えておけること~」というテーマの「地域づくりセミナー」です。
セミナーの打ち合わせの中、講師である医療ソーシャルワーカーたちはこんなことを、口にしました。
「外出先で突然倒れて救急搬送されてきても、身元を証明するものを何も持っていないことが多い。身元を特定するものを探すために、荷物を隅々まで探すようなことが珍しくないんだ」
そこで、こうした現場の問題を解決できないかと、「みま~も」と医療ソーシャルワーカーがアイデアを出し合って具体的に生まれたのが「SOSみま~もキーホルダー(現:高齢者見守りキーホルダー)」だったのです。

システムの仕組み

高齢者見守りキーホルダーシステムの仕組み 事前に管轄の地域包括支援センターに個人情報を登録するための申請書を届け出ます。
申請登録が済むと、ご本人にこれらの個人情報に対応する「個人番号」の入ったキーホルダーをお渡しします。
キーホルダーには、担当する地域包括支援センターの電話番号とともに、「もし私の身元がわからないときは、ここに連絡してください」というメッセージが添えられているので、 出先などで突然倒れ、緊急搬送された場合などに、 迅速に住所、氏名、緊急連絡先、医療情報等の確認が行える、という仕組みになっています。

このシステムは情報が命です。登録情報が最新かつ正確な情報でなくてはなりません。
そこで、重要になるのが「登録情報の更新」です。キーホルダーを通して地域包括支援センターとつながった方たちとの「つながりの更新」の意味も含めて年1回、誕生月に管轄の地域包括支援センターに来ていただくことを原則としました。

予想以上の広がり

平成21年8月1日から6ヵ所の地域包括支援センターでスタートした「SOSみま~もキーホルダー」は、平成22年6月から六郷地区の2ヵ所の地域包括支援センターでも申請を開始し、同年12月には田園調布地区でもスタートしました。
開始にあたっては、地域づくりセミナーでの周知や、民生委員の独居高齢者宅への戸別訪問によるご案内(合計約500件)のほか、町会や自治会での周知、 ケアマネージャーをはじめとするサービス事業者の方々からの情報提供など各方面の関係者の理解と協力が得られたことにより、多くの高齢者に周知をすることができました。
そして、平成24年4月からは、「大田区高齢者見守りキーホルダー事業」として、大田区の事業になりました。大田区全域の65歳以上すべての住民に、このキーホルダーを手渡すことが可能になったのです。
また、この大田区発信のキーホルダー事業は現在では、全国から問い合わせが殺到しており、東京都の中央区や町田市、横浜市、茨城県土浦市といった関東のほか、新潟、徳島、広島といった自治体でも事業がスタートしています。
キーホルダー登録システムの広がりを見る»

登録システムの効果

これまでに認知症があり自宅に戻れなくなった高齢者を通りがかりの方、保護し、杖に付けていた「SOSみま~もキーホルダー」を見て、地域包括支援センターに連絡してくださった事例。
熱中症で路上に倒れていた人を発見した住民の方が救急車を要請し、救急隊が意識不明の本人が身に着けていた「キーホルダー」を発見して、地域包括センターに身元確認の依頼を行った事例。
病院に入院した患者が緊急連絡先を覚えていなかったものの、看護師が「キーホルダー」を発見して、地域包括支援センターに問い合わせがあった事例などが列挙されます。

これらはまさに地域全体で見守り、そして住民と専門職、専門機関がこの「高齢者見守りキーホルダー」を通して連携ができた事例と言えるものであり、私たち「みま~も」が願ってきたことが実現できたと評価しています。
もう一つの大きな効果として挙げられるのが、この取り組みは地域に暮らす65歳以上の方すべてを対象としているために、「現時点では介護保険サービスを受ける必要がない」 「現時点では、医療・介護の専門職との関わりが必要ない」元気な方々までが地域包括支援センターに登録のために訪れるようになった事実です。
このシステムを通して、まだ介護その他の支援が必要のない段階から、地域包括支援センターの存在を地域に暮らすみなさんに知ってもらうことが可能となったのは、とても重要な成果と言えると思います。

高齢者見守りキーホルダーに関するお問い合わせ

自治体及び団体で高齢者見守りキーホルダー導入をご検討されている方は、こちらのお問い合わせフォーム、または電話(03-3762-4689)にお問い合わせください。
  • 地域づくりセミナー(地域の住民と専門職との顔の見える関係を築きます)
  • 高齢者見守りキーホルダー(緊急時に高齢者の身元確認等が行えるシステムです)
  • みま~もステーション(みま~もの活動拠点のひとつ「アキナイ山王亭」のご紹介)
  • まちづくりが元気!おおた登録事業(地域の薬局、施設、デイサービス等にご協力頂いています)