土壌がないところに、草木が育たないことと同じように、地域のネットワーク構築も、地域の中に共助の関係が育たなければ、形だけ支え合いの仕組みを整えても意味をなさないのではないでしょうか・・・。
今の時代、「人との関係が煩わしい・・・」と、「自己の生活を大切に生きていこう」と思えば生きていける社会です。
ただ、何かをきっかけに人から手をさしのべられることが必要になったとき、自分から「手をさしのべてほしい・・・」ということは表現しにくいものです。
突然、「手をさしのべる方を組織しましたから、必要な方は是非どうぞ!」という用紙が届けられたり、郵送されてきたり、知らない人が訪ねてこられたりしたら、素直に気持ちを表現することが自分だったらできるだろうか・・・。
自分が手をさしのべてほしいとき、素直に気持ちを伝えることができるのは、自分のことを知る近所の人であったり、友人であったり、家族なのでしょう・・・。
ただ、一人で暮らしている高齢の方は、子どもたちはそれぞれに所帯を持ち遠くにいることが多く、友人とのつきあいも疎遠になっている方が多い。
そう考えると、まず手をさしのべられるのはその人を知る近隣の人たち、その地域に暮らす人たちなのです。
手をさしのべる一声をかけると言うことは、勇気のいるものです。日常の関係があり、その方のことをわかっていなければ、声をかけることによって逆にその人が殻に閉じこもってしまう可能性もあります。
私が働く大田区の高齢化率は19.7%、このうち一人暮らし高齢者の割合は、これから20年、30年にわたり、倍加する勢いで増加していきます。夫婦のみ高齢者世帯も同様です。
このような状況を、地域で暮らす一人ひとりがまずは知り、自分たちのこととして考え合うことが重要です。
今の30代、40代の方たちが高齢期を迎える時も、この高齢化は進行形なんですから・・・。
今、地域で支え合う土壌を創ることは、すべての方にとって、自分自身に繋がることなんです。
自分たちが暮らす地域の支え合いのネットワークを、自分たちで考え想像していく取り組み・・・。要は、
地域が主体で進めなければ、行政が仕組みを形作ってあげたところで機能はしません。
地域が主体の取り組みにどうやったらできるのか?難しいですね・・・。でも、地域で起こっていることは、私たち以上にそこに暮らす人たちが感じているのです。
まずは、地域の人たちと、話す機会、そして、今の状況を伝えていくことが大切だと思います。
私たちがこの地域で取り組んでいる活動も、まずは地域の方と話し合うこと、各専門機関の方から、地域の中で話し合う
「気づき」を提供することから始めています。
何もないところから、手をさしのべ合う土壌など生まれるはずはありません。
この1年を、私たちは地域に土壌を構築する1年間だと位置づけ活動しています。
4月から8月までのイベント、セミナーに、のべ1100名のみなさんが参加しています。この方たちと、私たちがどう結びあっていくか、来年のこの活動の展望とともに、考えていきたいと思います。
夕暮れを背に立つ浅草の浅草寺
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