大田区発の地域包括ケアシステム-おおた地域見守りネットワーク(みま~も)

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2009.8.5気持ちを伝えるすべ
  •  8月になり、連日キーホルダー登録の申し込みが絶えない、わが包括支援センターです。
     このペースでいくと、来週には100~150名の登録がされていくことになるでしょう・・・。
     ここで、再度書き込んでおきますが、この取り組みは大田区の取り組みではなく、「大田高齢者見守りネットワーク」事業として、大田区、病院・警察・消防と連携体制を構築し取り組んでいるもの。
     この事業に係るキーホルダー等の費用は、「見守りネットワーク」で費用負担しています。申請窓口は、各地域包括支援センターが、この趣旨に賛同し協力しています。
     ここ最近、この取り組みについて、行政担当者や、社会福祉協議会の方々、また、まだこの取り組みに関わっていない包括支援センターの方々から、ご意見や、取り組みの今後について話を聞きたいと連絡が入ることが多くなりました。
     行政担当の方や、社会福祉協議会の方からは、「この取り組みは、大田区全体に広がっていくべきもの。キーホルダーについては、会の負担も多いだろうから、費用についても一緒に考えましょう」などなど・・・。
     区内の地域包括支援センターからは、「警察の方と会った時に、君たちのエリアでは、このキーホルダーの取り組みをやっていないのかい?と言われたんですが、自分たちも今後取り組んでいきたいので、また相談させてください・・・」などの話しが来ている・・・。
     この取り組みにやってくる地域の皆さんの思いを日々聴いているだけに、この取り組みが広がっていくのはうれしい・・・。しかし、反面、キーホルダーだけが、どんどん独り歩きしていき、本来この取り組みを始めた趣旨が伝わらないまま広がっていくことには違和感を感じる。
     うまく言えませんが、私にとってのこの取り組みを例えるなら、こんなことなんです。
     映画「おくりびと」に、石に気持ちを託して互いに贈り合う「”石文”(いしぶみ)」のエピソードが出てきます。
     この作品を手掛けた脚本家 小山薫堂さんは、向田邦子さんのエッセイで知り、映画に使おうと思ったそうです。
     以下、向田邦子さんのエッセイの中で出てくる石文についての一節です。
                   ↓
     自分がおしゃべりのせいか、男も手紙も無口なのが好きである。
     昔、ひとがまだ文字を知らなかったころ、遠くにいる恋人へ気持を伝えるのに石を使った、と聞いたことがある。
     男は、自分の気持ちにピッタリの石を探して旅人にことづける。受け取った女は、目を閉じて掌に石を包み込む。
     尖った石だと、病気か気持がすさんでいるのかと心がふさぎ、丸いスベスベした石だと、息災だな、と安心した・・・・。

                          『男どき 女どき』向田邦子著(新潮社刊)収録の
                          『無口な手紙』より抜粋-----------------------------
     私たち専門職たちが、地域の皆さんとこの会を通して身近に関わるようになった・・・。
     関わるうちに、地域に暮らす皆さんにとって「医療の安心・介護の安心、そして、住み慣れた地域で暮らしていくための安心」とは何かを考えるようになった・・・。
     地域を知れば知るほど、自分たちが自分の職種、機関の範囲で仕事をしているだけでは、地域の皆さんの本当の安心にはつながらないことを知りました。
     そして、職所・機関の垣根を超えた、この「SOSみま~もキーホルダー登録システム」の実施にこぎつけたんです。
     いわば、専門職たちが、地域への気持ちを伝えるためのキーホルダーなんです。
     日々、申請の手続きが訪れるなか、我が包括職員は、近隣にあるマンションの自治会に手紙とチラシを持って出かけていきます・・・。
     「このマンションには、この取り組み必要だし、以前、認知症サポーター養成講座で、私、話しているのでちょっと行ってきます!」
     キーホルダーだけが独り歩きしてしまったら、このような主体的な動きはきっと生まれないでしょう・・・。
     このようなことも含めて理解してもらい、自分たちがこの取り組みを広げる主体となっていただける地盤を構築しながら、新たな展開を検討したいと思います。
     
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