一人暮らしの女性Aさん。私たち地域包括支援センターに連絡をくれたのは、地域活動をしているKさん。
認知症の症状があり、心配をしているがKさんでも家には入れてくれない。当然介護保険サービス導入も拒否している。自宅に閉じこもり認知症が進行しないようにと、私たちに連絡をくれたKさんは、毎日自分の事務所に誘い、チラシの折りを手伝ってもらっている。
だんだんチラシを折ることもできなくなり、お風呂に入っていないのか尿臭もひどい。家に誘い、お風呂を勧めたこともあるが、Aさんは決して入ろうとしない。「自宅の中もゴミ屋敷のようになっているはずだ」とKさんは言う。
Kさんと相談し、事務所で初めてAさんと会った。Aさんはチラシを折りながら、生まれ故郷から東京に出てきたときのこと、Kさんとの出会い、様々なことを初対面の私に話してくれた。
そして、明日自宅に訪問してもよいという返事をもらった。Kさんはびっくりしていた。「Aさんが家に来ていいなんて言うなんて・・・・」
翌日Aさんにメモを渡した時間に自宅を訪ねた。留守だった・・・。その後、30分待ったが、帰って来なかった。その後私も様々な予定があり、忙しく訪問することができず3日後にAさんのお宅へ電話を入れてみた。
Aさんは電話に出たが、電話の受け答えは警戒心でいっぱいだった。「どちらさまでしょうか・・・、何の用件があって電話をしてきているのですか・・・?間に合ってますから・・・。」何かの勧誘を断るように電話を切られた。
俺は何やってんだ??忙しさにかまけて、何日も前に約束したことを電話で済ませるなんて!!Aさんを動揺させてしまっただけじゃないか!!
「初めて会って話をしてくれただけでいい気になって・・・。忙しさを理由に大事なことを翌日回しにして・・・。
周りがどんなに心配しようと知ったこっちゃない。だって、毎日誰にも頼らず生活している。
ずっとそうやって生きてきた。友達の仕事の手伝いだってしている。突然現れてもっともらしいことを言われる筋合いじゃない!!」
Aさんからそう言われたような気がした・・・。
また、Kさんの事務所で挨拶から始めよう。来週は短時間でも、毎日事務所に出かけよう。また一緒にチラシを折りながらAさんと話してみよう。