大田区発の地域包括ケアシステム-おおた地域見守りネットワーク(みま~も)

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2010.6.30日常の関係性があって成り立つもの Ⅱ
  •  「ちょいと、沢さん!あんた、最期の頼み聞いてよね!!」
     「要支援1」、私が担当として関わって3年になるSさんは、さらに話しを続ける・・・。
     「去年1年かけて、いろいろな施設見せてもらったけど、あなたも知っての通り、私には食事どきになるとやってくるのら猫ちゃんもいるし、私を頼りにしている近所の人もたくさんいる!この地域に暮らして60年以上・・・、だてに暮らし続けてないんだよ。いろいろ考えたけど、やっぱり施設には入らないよ。最期まで、この家で暮らす!」
     「施設に入るために貯めといたお金でこの家をリフォームするんだもん!だからあんた!お願いだから、ポックリ逝った私をなるべく早く見つけてよね!きれいなうちにさぁ!頼むよ、沢さん   」
     
     毎週水曜日夕方の時刻に事務所に訪れるAさんは、最近よく私にこう話してくる。
     「私が死ぬときはM病院(当院)だから・・・、私は家族も、親族もいないし、オバマ(Aさんは私のことをなぜかそう呼ぶ?)病院から連絡が入ったら真っ先に顔を見せてよね!」
     二人とも一人暮らし。交流している親族もいない・・・。
     こんな時、私は間をおかずにこう話す・・・。
     「  まかせておいて! その日とはいかないかも知れないけど、2~3日の間には必ず見つけてやるからね!!」
     「無責任!」、「軽はずみな言動だ!」と思われるかもしれません。
     ただ、このようなときに、このようなことを私に話しかけてくる思いを、日常のかかわりの中で理解しているからこそ、私はこのように話すのです。
     一人で暮らしている中で、ふっと不安になるときがある、怖くなる時がある。24時間どんなときにも目の前にいる自分の担当である専門職がいてくれるわけではない。そんなことを期待はしていない。
     万が一のときに「おかしい??」と気づいてくれる・・・・。その気づきが手遅れであっても、駆けつけてくれる。それがわかるだけで安心できる。
     疾患を抱えた高齢者が一人で暮らし、歳を重ねていく・・・。そんな不安に掻き立てられる日だってある。
     「一人で暮らしている以上、万が一もあり得る・・・」それは、本人が一番わかっているんです。
     ただ・・・・、誰にも知られない、気づかれない、そんなこと考えただけでも怖い。だから、このような不安を、担当である専門職にふっと言ってみたくなる・・・。
     このような思いをわかっていながら、「あなたの思いはわかりますが、万が一の時には、いくら担当の専門職であっても対応できないこともあります。その点だけは、申し訳ありませんが、承知しておいてください。」
     こんな、確認めいた発言は、日常の関係性さえつくっていれば不要のセリフ。
     本人が決めるためのあらゆる情報を提供し、本人が決めた生き方に寄り添うだけ!
     「大丈夫!あなたの担当の専門職です。ここまで一緒に考えてきましたよね!そして、あなたはここに暮らすことを望んだ。これからもいろんなことがあるでしょう。あなたらしく生きること!そこにいさせてもらいます。」
     たった一回きりのその人の尊い人生。そこにいさせてもらう。動じずに・・・。だって、その人が決めたんですから。その大事な過程に一緒にいたんですから・・・、いるんですから・・・。
     不安なときは、時には元気づける!笑ってあげる!
     自分の人生を大事に歩み続けている目の前にいるその人と、関係性を紡いでいく専門職であり続けたいと思います。
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