たぐナースが、私が休みのときに来た来訪者について報告してくれた・・・。
Aさん・・・。
もう何年前になるでしょうか?
私たちのこの地域の行政担当職員だったAさんとは、一緒にケースのことを相談しあったり、同行訪問したこともある。
異動でこの地を離れてから、しばらく会っていなかった。このAさんが、親族の件で相談に訪れたのだそうです。
当院に親族が入院しており、院内では、やはり以前から関わりのあったソーシャルワーカーYさんに相談。そして、介護保険や在宅に向けての調整等のために、わが包括支援センターにやってきた・・・。
具体的な相談が終わるとAさんは、「ところで、沢○さんたちは、変わらずに元気にやっているのかい?」と、懐かしそうにたぐナースに聞いてきた・・・

そして、このAさんがこの地域の担当職員として働いていた当時を知っている私、そして、I 主任ケアマネージャー、医療ソーシャルワーカーYさんに「よろしく伝えておいて!」といって、安心したように帰っていったそうです。
自分がこの地域で働いていた当時、かかわった多くの専門職たちが変わらずにこの地域で、当時と変わらず熱く走り回っている・・・・。
それを、たぐナースから聞いたときのAさんは、どんな気持ちでいたのだろうか????と考える。
何年か前、いっしょにいろんなことを話し合ってきたメンバーが変わらずにこの地域にいて、同じようなスタンスでがんばっていることを懐かしく、そして、心強く思ったにちがいない。
誰であろうと、肉親や親族が、突然、医療や介護が必要となったときに平然としていられるわけがありません。
そんなとき、自分がよく知っている、自分を素で出すことができる専門職がいてくれる・・・。こんな心強いことはない。
きっと、私もそう思うはずです。
自分の暮らす地域に、この地域をよく知る専門職が変わらずにここにいること。これは、地域に暮らす人たちにとって、何よりの安心につながることなのではないでしょうか・・・。
この地域で働いて十数年。考えてみれば多くの専門職が自分の前を通り過ぎていきました。
業務に磨り減って、展望が持てず退職。上司との関係がうまくいかず退職。結婚を機に、今の待遇では家庭を持ち生活ができないと福祉以外の業界へ転職。
「人と向き合う仕事がしたい!」と、夢や希望を持って、この世界に入ってきた人たちが、輝きを失い、希望をなくして退職していくのを、もう見たくない!
それが、この「おおた高齢者見守りネットワーク」(みま~も)を発足したもうひとつの自分の強い思いです。
地域の専門職たちを、地域で育んでいく・・・。ひとつの事業所、職場の限られた人間関係だけでなく、もっと広い視野や出逢いを持ってもらう。
自分の職種以外の専門職と出逢い、自分が担当している利用者や家族以外の、地域に暮らす人たちと出逢う機会をつくっていく。
このような場があれば、多くの専門職たちは、自分の専門に改めて誇りを持ち、専門職である自分の役割を自ら考え、そこにやりがいを持ち、成長できるはず!
この実感があれば続けていけるんです!成長していくんです!
だって、そこをやりたいと思って学び、試験に合格し、ここにいるわけですから。
地域の専門職は、地域で育んでいく・・・。これが、ネットワークを構築していく、もうひとつの大切な意味だと思います。
「地域住民のため!」それだけではない。
自分たち地域で働く専門職たちが、息長く、この地で自分を磨き、その地にいつづけること。この専門職たちの姿を見て、あとをめざしてくる新しい専門職たちが、夢や希望、展望を持って働くことができていく。
福祉の専門職の歴史は、医療などと比べてまだまだ歴史が浅い。だからこそ、歴史を積み上げていく土台が必要なんですよね。
Aさんとは、また会う機会があるでしょう。そのときには、「相変わらず、ここで、踏ん張って働いてますよ!」とあいさつでもしましょう

そして、この「おおた高齢者見守りネットワーク」を発足して3年間の歩みを伝えましょう。Aさんたちと歩んだ時期があったからこそ、この地にこの会が生まれたのですから・・・・。