事務所のドアが開く・・・。
「こんにちはぁーーー!」うちの職員たちのあいさつが事務所内に響く・・・。
入ってきたのは、初老の男性。相談窓口に職員たちが行くと、「ここだよね!この前テレビで映ってたのぉ?」
一人ひとりの職員に笑顔で応じる男性。その視線が私に来た・・・。
「おっ!いたいた!あんた出てたねぇー」

「がんばれよ!!」そういうと、玄関を出て行き、この男性が再び振り返ることはなかった・・・。

9月5日、NHKスペシャル「消えた高齢者無縁社会の闇」放送以降、地域の人、他県からも声が寄せられる・・・。
関西地方からは、自分も「キーホルダーを登録したい!」という方が、NHKに連絡を入れ、大田区役所に連絡をして、やっとうちに行き着いたという方もいた。
たまたま私がいないときで、職員がキーホルダー登録システムは、大田区での取り組みだということを説明したらしい。テレビを見て、私と話したかったらしいのですが、「また電話するよ!」と言って、電話を切ったそうです。
NHKの記者から聞いた話しですが、ある自治体では、番組を見ていなかった行政職員から連絡が入り、窓口に「キーホルダー登録をしたい!」と言う方が殺到し、「どんな番組だったんですか?」と、問い合わせが入ったそうです
自分たちが地域に暮らす高齢者の安心のために築いてきた活動に対して、全国からこのように多くの人たちが、思いを表現してくれていることを、「みまーも」の仲間である大田区の専門職たちと素直に喜びたい。
反面、あの番組を通して、「他人のことと思えない・・・」と、自分の先に不安を抱えているという人たちが多いということでもある。
それは、現場で働く専門職たちも同じ。
それぞれの専門で働く現場の中で、限界を抱えながらあの番組を見て、「個人情報の壁などがある中、自分たちで乗り越えようとしている姿に励まされた!」という感想や、私の苦悩する(そんな思いは当人はこれっぽっちもなかったのですが・・・

)後ろ姿を見て、自分が働いている中での限界を伝えてくれる人もいる。
人員の増員や、情報の共有など、すべてそろうことの必要性に対して、私も異論はない、それどころか大賛成です!!でも、私は、それを国が整備するところまで待っていられません。
国が、何らかしらの対策を打ったとしても、今の現状が100%好転するとは期待していませんし、好転させていく何%かの力は、現場にいる自分たちの発想の転換だとも思っています。
待っているのではなく、自分が働く地域をみつめ、何かをやってみる。「やらなければ!」という思いは一切捨てて、自分にもやる価値があり、地域に暮らす人にとっても必要なことをやってみる。
何かしら、一石を投じると、水面が広がるように、「大切なもの!」と、多くの人が認識したものは続いていくんです。
お上から降ってきた、地域の意に沿わないものは、やがてすぐ無くなっていく。
大切なものは、地域に暮らす人づてに広がり、いつまでも足跡を残すはずです。一石を投じて、表現してくれる多くの地域に暮らす人たちは全国中にいる!!
そんな思いでいます。