―― 「生きているか、死んでいるかさえ分からない・・・。」所在不明の高齢者が相次いで発覚する異常事態。国は年金を受給しているすべての所在不明者の調査に着手した。相次ぐ所在不明の高齢者。
その多くが地縁や血縁など社会とのつながり失ったまま“無縁化”している実態が浮かび上がってきた。無縁社会は私たちの想像以上に、水面下で広がっていた・・・。――
平成22年に放送されたNHK無縁社会シリーズは大きな反響を呼び、NHKではその後も、各種報道番組などを通じてキャンペーンを展開した。
この年の「ユーキャン新語流行語大賞」トップテンに、この「無縁社会」という言葉がノミネートされている。
この『 無縁 』シリーズ、平成22年9月5日に放送された「消えた高齢者無縁社会の闇」で、当包括支援センターも取材協力している。
この番組をきっかけに、日本弁護士連合会が平成23年1月にシンポジウムを行った。
テーマは、
「高齢者の孤立と貧困~
『無縁社会』からの脱却をめざして~」
そこにシンポジストとして参加したのです。
基調報告
池田 誠一 氏(NHK社会部記者)
パネルディスカッション
池田 誠一 氏(同上)
井上 英夫 教授(金沢大学大学院人間社会環境研究科)
小川 栄二 教授(立命館大学産業社会学部現代社会学科)
澤登 久雄 (大田区地域包括支援センター入新井センター長)
参加者は200名ほどいたのでしょうか???
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このシンポジウムから数日後、参加者でジャーナリストのYさんが事務所にやってきた。
シンポジウムのときの、私の話しに興味を持ち、訪ねてきてくれたのだという。
Yさんは、アメリカ「ロサンゼルスタイムス」紙 東京支局記者を経て、現在は、フリーのジャーナリスト。
訪ねてきたとたん話し出す。
単身世帯の増加は日本に限らず、ほとんどの先進諸国で起きていること。北欧諸国では、すでに全世帯の4割近くになっているが、独居者の孤立や孤独死が社会問題になっているという話しは聞かない。
日本のメディアは、悲惨な孤独死の実態を報じるだけでなく、どうすれば独居者の孤立を防ぐことができるのかも含めて報道したほうが、問題解決に役立つのではないか。
私も、現場の中で感じていること、みま~もを通して見えてきた地域の状況、今何が必要なのか、思っていることを話す。
Yさんとは2時間ほど話し合いました。あっという間のひと時でした。
あれから1年・・・。
Yさんから1冊の本が贈られてきました。
「ひとりで死んでも孤独じゃない」 (新潮新書 新刊)
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ページをめくると、1ページ目から、1年前に会ったときのYさん節があふれ出てくる。それでいて、世界各国の取材を基にした、Yさんの視点で、今の日本を的確に分析されていて引き込まれていく。
本の最終章まで一気に進むと、「東京都大田区の試み」として、みま~ものことが詳細に書かれていた。
「みま~もシステムは、独居高齢者の緊急対応だけでなく、高齢者が元気なうちから地域の専門職とつながることができるという利点がある。・・・・・
・・・・独居高齢者が自立生活を続けていくには、日頃から自身の健康状態を把握し、将来支援が必要となったときのことを考えておかねばならない。そこで見守りネットワークでは、毎月、高齢者を啓蒙するための健康・介護セミナーを実施している。
毎月100人ぐらいが参加するが、ほとんどが一人暮らしの高齢者だという。・・・・・
・・・このように大田区に住む独居高齢者の多くは、みま~ものおかげで孤立や孤独死の不安もなく、自立した生活を続けることができるのである。 」
ここまで言い切られると、心苦しいですが、この最後の文章は、1年前に語り合って、Yさんが感じられた自身の思いが、文章に込められているのでしょう。
Yさんありがとうございました!みま~ものメンバーにも、読んでもらいますね!