やさしさ、楽しさは人から人へ伝播する。
不安、怒り、悲しみは、縮こまって縮こまって、一人ひとりの心に閉ざされ、年月が経てば経つほど重い扉となっていく。
コロナ禍の1年半という歳月の、扉の重さを痛感する。ふっと、いつも自分自身に言い聞かせてきたこの物語を、改めて自分自身の心に刻む。
「北風と太陽」
北風と太陽が、旅人のコートを脱がす力くらべ。
北風は何とかコートを吹き飛ばそうとする。風を強くすればするほど、相手は身構え、コートをしっかりとつかんで離さない。太陽はあたたかさとともに、旅人自身がコートを脱ごうという気になるよう力を注ぐ・・・。
コロナ禍の今、私たち医療・保健・福祉専門職が、地域に暮らす人たちにできることは何なのか?
コートを無理矢理はぎとることなのか?それとも、その人が自ら脱ごうとする気になるために力を注ぐのか・・・?