みま~もステーションでお世話になっている大森柳本通り商店街振興組合理事長 Sさんは、みま~もとの思い出話をいつもこのように語ってくれている。
「当時、高齢化が進む町のために商店街として何ができるかなんて考えてもいなかった。
そんなある日、みま~もさんが商店街と連携してまちづくりを進めたい!と協力を求めにやってきたんだよ。
『 専門家たちに何ができる!やれるならやってみろ!』 という気持ちだったのをよく憶えているよ。
どんなことから始めるのか?興味本位で柱の影から見ていたら、高齢者の人たちと裏の公園の雑草を摘み、錆びた線路のフェンスに色を塗っている。この様子を見て、こういうことからスタートするんだと思った・・・」 と。
群馬県伊勢佐木市地域包括支援センター Aさんは、このときの商店街理事長の話から、こんな気づきを私に伝えてくれました。
「 助け合いの地域づくりのために、私たち専門職はつい 『 見守り体制 』 や 『 高齢者の居場所 』 など、一般の方々にはハードルが高そうなことを語ってしまいがちですが、
地域づくりの取り組みには様々な方法があり、色々な立場の人がその役割を担うことができるものであるということを最もわかりやすい方法でお伝えしたのがフェンスの補修作業だったのではないかと思います。」 と・・・。
国が求める地域包括ケアシステム・・・。
それを忠実に、そのままの形で地域に下ろそうという専門職目線の見守り体制構築など何の意味があろう・・・。
これを無意識に「地域のため!」と、必死に取り組んでいる専門職の方々・・・・。
まったく押しつけ以外の何物でもない・・・。
見守り体制構築、地域包括ケアシステム構築=専門職による事例検討、地域ケア会議という図式はもういいでしょう。
それをやって専門職の皆さん、地域包括支援センターの皆さん、地域の方々とつながったという実感や手応えが本当におありですか?
地域包括ケアシステム構築=公園のフェンスの色塗り ではいけませんか?
商店街理事長は、その中にこそこれからの「まちづくり」を実感し、協力してくれています。
そのままを鵜呑みにして、専門職だけの狭い常識で「そうだそうだ!」と地域住民を会議の場に引っ張り出す。
そんなことしているくらいなら、地域に出て何かを一緒にしてみましょうよ。
会議の場では決して感じ取れない本当の専門職の役割が実感できるはずです!
平成23年4月・・・、「みま~もステーション」は、この地域の誰も寄りつかない、ペンペン草だらけの公園からスタートしました。
毎日、毎日、地域に暮らすみま~もサポーターの皆さんと専門職が一緒に、フェンスのさび取り、色塗り、草取りを行いました。 未来のわが町を想像しながら・・・・・。
作業が終わったあとは、持ち寄ったおやつでお茶タイム! この時間で、専門職と住民の距離が一気に縮まったように感じます。
確かに見守られる側や高齢者は、専門家としてそうなった訳ではないですね。でも見守る側や高齢者介護に携わる専門職は、労働に対する対価をもらわないと生きていけないので、役所や公共事業対策として、小難しいボキャブラリーを使わざるを得ない。
この辺の「する側とされる側が、いかに心を通わせるか」という課題に対しては、日本人が抱きがちな「労働=専門性の行使」という労働観を脱する必要があるのだとと思います。
簡単に言うと、役人って固すぎるんじゃねえの、ってことですが。