「専門」という門の中で、自分たちの専門領域を必要としている人が門を開けて入ってくるのを待っている。
そんなことを続けていても、地域にたくさんいる自らSOSの声をあげられない人たちに私たち専門職の手をさしのべることはできない。
その思いだけで始めたみま~もの活動も9年を経過する。
取り組み始めて一番自分が乗り越えなければならなかったこと。それは、
「専門の鎧を脱ぎ捨てること」だった・・・。
「地域包括ケアシステム」という言葉が叫ばれ、国中で専門職同士の「連携・ネットワーク」を構築する動きが高まっていたとき・・・・、
私たちは地域から忘れ去られていた公園で、汗だくになりながら地域の人たちとともにフェンスのさびを落とし、白いペンキを塗っていた・・・・。
「専門職である自分たちがいったい何をしているんだろう?」 、
「専門職同士の連携・ネットワーク構築に向かう人たちの流れに乗らず、地域住民とこのようなことをしていて大丈夫なのだろうか?」 、このような思いが、心のどこかにありながら、それでも流れとはちがう道を一歩一歩進んでいくしかなかった。
不安や迷い、ためらいがなかったかといえば嘘になる。
今考えればこの不安は、専門職としての鎧を脱ぎきれずに取り残されていくような不安感だったのかもしれません。
あれから9年・・・、今はこの道に迷いはない。自分たちは、
専門職だからこそ、この活動をしていると胸を張って言えるから。
元気な頃から、専門職が地域の「日常」に関わることの重要性を9年の道程を通して知ることができたから。
「これでよかったんだ!」と、今、心からそう思える。
時代は地域包括ケアシステム構築へ向かっている。
このシステムの更なる深化は、高齢者のみならず支援を必要とする人すべてが対象。
行政機関も「タテワリ」から「まるごと」への転換を求められている。
時代がみま~もに追いついてきた。私たちはさらに前へ進もうと思う。
「専門の鎧を脱ぐ」とは、専門性を捨てるということではない。
まずは自分自身も地域に暮す住民の一人だということを自覚すること。そのうえで専門職として地域の日常にふれること。日常の暮らしに関わること。
それさえ体験すれば、地域に暮す人たちが私たち専門職に求めるニーズも見えるはず。専門の鎧がいかに自分を視野狭窄に陥れていたかわかるはず!
大田区の専門職たちにとってみま~もは、鎧を脱ぐきっかけの場!地域を知る専門職を広げる場になっているのです。
専門職よ!鎧を脱いで自分たちから地域に飛び出よう!時代は、地域は今、それを求めています!
今日は「元気かあさんのミマモリ食堂」!
食事を終えた方と裏のみま~も公園でコーヒーを飲みながら語り合う社会福祉士のどかちゃん!
元気なこの方も、話してみるとだんだん外出する機会が減っているという。
「また来てくださいね!」などという必要はない、言ってはいけない!
この空気感を思い出してくれたら、この場が大事な場だと感じてくれたら自分から来てくれるから (^_-)
食堂を切り盛りしている元気母さんたち!来てくれたお客さんにかける声かけの一つひとつがあったかい (*^_^*)
