最近、児童演劇のコーディネーターの仕事をしていた頃のことを、よく思い出す・・・。
誰もいないホールの荘厳な空気・・・・。
搬入の際、舞台・音響・照明・役者・・・、皆が普段着のボロを着て、汗だくで荷物を運び入れる連帯感。
ホールに荷物が吸い込まれていくと同時に、何もなかった舞台が、森になり、草原になり、砂漠になり、宇宙になっていく・・・。
舞台をつくり終えると、照明が落ち、ホールは開演時間まで、また荘厳な空気に包まれる・・・。
舞台ができあがった薄暗いホールの客席に一人座り、これから始まるであろう舞台の様子、観客の歓声を思い浮かべる・・・。
このひとときが、当時の私は一番好きでした・・・。
最近、仕事をしていて、ふっと、この舞台の懐かしい空気を思い出すことがある・・・。
福祉の世界に飛び込んで十数年・・・。いつかまた、あの世界に・・・。
今、行っている様々なことが軌道に乗ったとき、あの空気にまた戻るのも
「自分の人生らしい・・・」 とも思う。
「もう充分やったよ・・・、おまえの割にはよくがんばった。もういいんじゃないか?」 
自分の心のどこかでそんな声も聞こえる・・・。
「人として生まれてきたんです!もっともっと様々な人たちと出逢いたい・・・!出逢ったこの人たちと、大切だと思うことに力を注ぎたい!」 これが自分の原点!
あの頃の思いは今も変わらない。だから今、自分の働くこの「まち」で、あの頃と同じ夢を描いてる。