経済産業省・・・・。
ガラ~ンとした会議室には、経済産業省職員が静かに机を見ながら動かない・・・。
ほかに3名・・・。
他団体の男性と、私たち・・・・。
私たち・・・?
そう、大森柳本通り商店街コンサルタントYさんと私。
じつは、みま~もステーションでかかわりのある大森柳本通り商店街が、経済産業省の
『 平成24年度地域商業再生事業(補助金)の第2次募集 』 にエントリー!
大森柳本通り商店街では、この事業の1次募集にもトライしたが選ばれなかった。しかし、東京商店街準グランプリ!という追い風に乗り、再チャレンジを試みたのです。
商店街コンサルタントのYさんは前回落ちてしまったことがよほど悔しかったらしく、申請書なども前回の失敗を教訓に完璧に仕上げた。
そして、経済産業省でのプレゼンテーション!
発表は各団体3分・・・・。
「ここは自分だけでなく、実際にやっている人を連れて行ったほうがいい。」
Yさんはそう考え、カドヤ建設常務取締役、商店街理事 野口さんに相談。
そこで白羽の矢が私に来てしまったというわけ。
経済産業省でのプレゼン数日前、Yさんから1本のメールが届いた・・・。
「とりいそぎ、私なりに原稿を考えてみました。よろしくお願いします・・・。」
さすがYさん!3分の中で自分が話す2分間を、しっかり無駄なく原稿に落としています。
その原稿の最後に・・・、
「澤登さんに熱く語って頂きます。但し1分間、時間切れと言われるまで!」
プレゼン当日。
有楽町駅で待ち合わせ。人見知りで、二人きりというのが大の苦手な私・・・。
しかも!東京都大田区で働いていながら、大田区より地図上で上の東京はこれまた苦手。何しろ東京メトロというのがどこから乗ればいいのか、乗ったらこの鉄の塊がどこまで行くのかもわからない。
そんなセンター長の状況を心配するわが包括職員たちを事務所に置いて出発です!
有楽町でYさんと無事会えました!時間にしばしゆとりがあるので有楽町のイタリアンのお店でランチ
女性客ばかりのお店で男性2人、大きな皿に麺がちょこっとのパスタを、おちょぼ口ですする・・・。
食後は持ち手に指が入らない小さめのコーヒーカップでコーヒーを飲む。
沈黙が続く・・・。この沈黙を破ったのはYさん!
「澤登さんには熱い思いを語っていただいていいと思います。何ならこれからのビジョンも語ってください! ただ! 気をつけなければいけないのは、あまり専門家っぽく話しをしても逆効果です。」
本番へのハードルをさりげなく上げる・・・
そしてYさんはハードルをさらに上げにくる。
「澤登さんは心配ないと思うんですが、緊張で頭の中が真っ白になるということだけは注意してください。」
私の心の声: 「大丈夫だと思うよ!場数だけは踏んでいるので・・・。
ただ、この女性ばかりのお店であなたと二人きりという、今の状況の方が緊張で頭が真っ白です・・・ 」
いざ!霞ヶ関へ!苦手な地下鉄で有楽町から一駅。霞ヶ関駅で降り、経済産業省庁舎へ入館。待合室となっている会議室に通されて、冒頭のような状況になっているというわけです。
「それでは大森柳本通り商店街様、お時間となりましたので、隣りの会場へご案内します」
勝負の時間が訪れました!
まずは、Yさんが口火を切る。原稿に書いてあった通りの内容を、棒読みではなく流暢に話していく。
Yさんの話が終わり、視線がこちらへ向けられる。
「来た!俺だ!」
持ち時間は1分!たった1分。あれこれ言ってもしょうがない。
「商店街が基点となり、地域の様々な団体がつながっていく。
商店街を通してつながった団体同士も、自組織だけでは不可能なことが横につながり可能となっていく。
大都市部の新たな商店街のあり方の可能性がここにはあると思い協力させていただいています。大森柳本通り商店街には、そんな WINWIN な関係性が生まれ始めています」
発表後、審査員からの質問タイム10分。
自分の話しを終えて、お役目終了と安堵していたのもつかの間、隣りで質問に答えていたYさんが、
「補足お願いします」 と無茶振り!
私の心の声:
「えっ、えぇぇぇぇぇ~~~~~~ 」
プレゼン無事終了。
会場を出て振り向きざまYさんが私に大きくうなづいて、
「さすがです!実際にやってる人が思いを伝えてもらってよかったです 」
このYさんに熱くこう言われると、私もうれしくなっちゃいました。
私の心の声:
「Yさんも、こんないい笑顔を持っているんだぁ~。いつもこの笑顔でいればいいのに・・・・。まぁ、なんだかんだいい人だよなぁ~~~」
霞ヶ関の駅ホームに着くと、「澤登さん、私は反対方向で帰ってしまうんですけど来た道で帰れますか???」
私の心の声:
「俺が地下鉄苦手だということ覚えていてくれたんだぁ~。本当にいい人だなぁ~」
私の方向の電車がホームに着いた。
「本当にお疲れさまでした」
乗車する私に、Yさんが再度こう言ってくれた。
私の心の声:
「いい人だなぁ~、ドアが閉まって、電車が走り出したあともきっといつまでも俺を見届けてくれているんだろう・・・。振り返って手でも振った方がいいか!」
ホームの方に振り返って手を振ると、
「あれっ?」
名残惜しそうに私に手を振っているはずのYさんがいない
「まっ、いいかぁ!」
大きな大きな波を一緒に乗り越えた仲間同士!そこにちがいはありません!
一人で電車に乗り都会に出てきて、人見知りを乗り越え、今また、苦手な地下鉄に一人で乗ってわが包括へと帰る。
今日ばかりは、そんな自分を誉めてあげたいと思います。
「よしよし・・・・ 」
有楽町駅でYさんと待ち合わせ。
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経済産業省でプレゼン。
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