朝の通勤途中、地域密着のみま~も協賛企業の職員Aさんが、私を見つけて声をかけてくれた。
最近会うことが少なかったので、声をかけてくれたことがうれしかった。
「久しぶり!相変わらず澤登さんは忙しいんだよね。」
そんなことを言ったあと、少しためらうようにAさんはこう話してきた。
「 〇〇 県に暮らしている母親のことで相談したいことがあるんだけど・・・。時間とってもらえるかなぁ~」
「いつでも連絡くれれば事務所にいるようにするから言って! Aさんが仕事で忙しいなら、近いんだしおれが会いに行ってもいいよ。」
そう言うと、それぞれの仕事場に向かうために別れた。
業務の関係で、院内をあっち行ったり、こっち行ったりと歩き回ることがよくある。
そんなある日、検査室の前でうつむきながら歩いているBさんを発見!
Bさんは地元で一人暮らしをしている。みま~ものセミナーに欠かさず来てくれていたが、最近顔を見かけていなかった。
セミナーに来ていた頃よりもやせているのは一目瞭然。
私:
「Bさん、こんにちわ 」
Bさん:
「あら、うれしい!おぼえていてくれたのね。声かけてくれてありがとう。
じつはねぇ~、今検査してきたんだけど、入院しなければいけないんだって・・・。もうあまり長くないみたい・・・。
みま~もにももう行けないかもしれないわ。だから、話しができてよかったぁ!声かけてくれてありがとう。」
私:
「5月からは、また、みま~ものセミナーが始まりますよ。5月はねぇ~、僕が話すんだよ!Bさんたちにとって必要だと思うことを話せるように、今、準備してるから、元気になってきてくださいね。
もし、うちに入院していて来ることができなかったら病室に話しに行くよ! よくやった!ってほめてもらいにね 」
医療や介護が必要となり、包括支援センターの窓口にやってくる・・・。その方たちだけが私たちの対象ではない。
地域に暮らす、そして、地域で働く人たちすべてが私たちの対象・・・。
地域に根ざし、地域に在る地域包括支援センターでありたい。そうあるべきではないだろうか・・・?
そんな思いが、今から5年前、私たち地域包括支援センター入新井と地域で働く専門職たちをみま~も発足へと向かわせた。
この歩みを続けてきての思いは、今も一点の曇りなく、揺らぐことなく私たちの心に灯っている。
なぜ? それは、AさんやBさんをはじめ、多くの地域の方々とのこのような日々を紡いでいるからなのだと思います・・・。
このような日々を、地域の方々と紡いでいるのは私だけではありません。
我が包括職員、そして、みま~もの協賛事業所で働く100名、200名を超える専門職たちが紡いでいるのです。
これこそが、本当の意味での地域包括ケアなのではないでしょうか?
会議や検討会?
このような場だけで地域に暮らす人たちと対する。これが、「紡ぐ過程」とは、私には到底思えないのです。
「そうだ!」と、納得することができないのです。
「地域に暮らす安心」 とは、こういうものだと思うんです。
元気な頃から日常的に地域の専門職とつながっているという安心・・・。医療や介護が必要になったときに、関わりのある専門家たちに、相談やサービスを依頼できる安心・・・。
何より、いくつになっても楽しみに出かけるところがあること。そこには自分の役割がある。何より元気でいよう、いたい!という思いを持つことができる日々であること。
それを、地域で働く私たちと、地域に暮らす人たちで創り合うのです!
日々を紡ぎ合うことなしに、同じ目標を描くことなどできない。そう思っています。
いよいよ5月18日(土)より、平成25年度の地域づくりセミナーが幕を開けます。セミナースタートの5月は、「みま~もの歩み紹介」。講師は私です。チラシができあがりましたので、ここをクリックしてご覧ください。
いつかまた、この故郷の景色にふれたいものです・・・。
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