2010年9月5日、NHKスペシャル 「無縁社会 -消えた高齢者無縁社会の闇-」が放映された・・・。
この番組の取材協力で知り合った I 記者。
冷静に物事を見ようとする眼差しのその奥に、「報道」という分野に身を置く記者としての責任感がみなぎる九州男児!
NHKが、この番組制作に向けて、全国の地域包括支援センターに向けてアンケートを実施。
そのアンケートの中にあった、私たちの包括支援センターの内容を見て興味を持ち、連絡をくれたのが I 記者だったのです。
I 記者の番組制作にあたっての熱意に押され、みま~もの専門職たちへも協力を呼びかけ全面協力!
私たち包括支援センターとみま~ものキーホルダー登録システムによって、つながった一人の単身高齢者。しかし、この高齢者のキーホルダーは、私たち専門職の手元に残されたが、本人は所在不明のまま・・・。
地縁や血縁など社会とのつながり失ったまま“無縁化”している人たちの実態・・・、そして、各専門職が制度の中での限界を感じる様子が浮かび上がってきた。
どの国も経験したことのない高齢社会を迎える我が国・・・。
しかし、国が出す方向性に、今だ具体的な道筋は示されていない・・・。
「地域包括ケア・・・」、「高齢者を支える見守りネットワーク構築・・・」
現場への要求だけは出しながら、本来、国や自治体が行うべき対策は、必死に実践をしている専門職たちに、今の時点でも追いついてはいない。
現場での実践が、地域に暮らす高齢者の安心にまちがいなく近づくと思っています。
しかし、これからの高齢化の進展を見通した体制整備がなければ、在宅を支える介護現場は疲弊していく。
今でさえ、有能な専門職が、現実の過酷な労働と負担の多さ、それに加えて処遇面での厳しさの中で自分の生活さえままならず、続々と専門から離れていっている状況です。
私たちはあくまで専門職として、地域に向き合っているのです。善意やボランタリーだけでは、必ずどこかに無理が生じ、継続性のある専門的な取り組みなどできようはずがない!
その意味でも、有能な人たちが理想や目標を追うことのできる、医療・介護の体制づくりが急務ですし、この体制づくりこそ、現場ではなく、国や自治体が担う何よりの責任だと思っています。
2年前、I 記者が思いを込めて作成した「無縁社会 -消えた高齢者無縁社会の闇-」の番組は、今の高齢者の現実に切り込み、少なくともこれからの国のあり方に一石を投じた番組だと私は評価しています。
I 記者は、番組取材終了後もみま~ものセミナーに来てくれたり、日本弁護士連合会主催のシンポジウムに一緒にシンポジストとして参加したりと、交流が続いていた。
たまに、酒を酌み交わして、情報交換などもしました。今となってはいい思い出です。
この I 記者、今月で異動が決まったそうです。
異動の準備で忙しい中、I 記者から、こんな文章が送られてきた。
「東京生活でお世話になった方々、物理的な距離は少し離れてしまいますが、引き続きおつき合いいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。」
どんなに離れていようと、お互いを出逢わせてくれた、それぞれの道程から逸れないで生きてさえいれば、また必ず巡り合うことができる!また、手をつなぐ機会がある!
これは、今まで生きてきた人生の中での私の実感です。
物理的な距離など関係ない!
I 記者!また会いましょう!そのときは、お互いのそれまでを大いに語り合いましょう!
大事なものはどんなことがあっても譲れない!自分の芯だけは、時代にも、大きな流れにも渡さない!
そんな不器用な二人ですから、時間が経過しても、昨日会ったように語り合うことができるでしょう。手を結ぶこともできるでしょう。
どこにいても、ご活躍を祈っています。お互い分野はちがいますが、これからもよろしくお願いします。
このブログ記事を書いている最中に、またまたI 記者から文章が届いた・・・。
「来週入新井にちょっと顔を出させていただきます!また連絡しますね!!」
ありゃま!何年先を思い浮かべて書いていましたが、来週また会えるそうです・・・

どうぞ、どうぞ、お待ちしていますよ
I 記者が手がけた番組。 「無縁社会 -消えた高齢者無縁社会の闇-」を紹介しているNHK番組ホームページはこちらからご覧ください。
とある駅の夕暮れ時・・・。
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