宮城県仙台市へ一人、新幹線に乗り向かう・・・・。
あまり一人で長距離の移動をしたことがない・・・。
「隣りに誰も座らなければいいなぁ・・・・」
そんなことを思ってると、必ず人がやってくるもんです。駅弁を買いましたが、隣りに見ず知らずの人がいる中で、開けて食べる勇気がない。
隣に座った人は、70代後半ぐらいの女性でしょうか?
新幹線が東京駅を離れ、一路東北へ向かって走り出す。
窓際の私は、車窓の外の景色を眺めて時間がただただ過ぎるのを待っている。
隣りの女性がシートをリクライニングさせる方法がわからないらしく、あれやこれやとボタンを押している。
そんな女性に私はリクライニングの方法を教える。
「後ろの人にいすを倒すと一言言っといた方がいいんですかねぇ?」
私はすぐに後ろの方へこう伝える。
「少しいすを倒しますね」
この一つの出来事がきっかけで、お互いがこの新幹線に乗車した目的をどちらからとはなく話し出す。
私は、以前うちの職場にいた看護師が宮城県仙台市にいて、その看護師が勤める病院で「みま~も」の取り組みについて話しをしてくること。
「みま~も」はこのような取り組みなんだということ・・・。
隣りの女性は、
「今の世の中でとても大事なことをしているんですねぇ~」 と、笑顔で応えてくれた。
この女性は、昨年母親が103歳で亡くなったこと。それまでは毎年1回、母親に会いに全国に散らばっている6人の兄姉が集まっていたこと。
今日は法事。久しぶりに兄姉で集まるという。
大宮駅ではお兄さんがこの新幹線に乗車する。このお兄さんは石巻に住んでいたが、震災の津波により、妻を亡くし、家も流され、今は神奈川の娘宅に暮らしているという。
環境の変化が著しい兄のことが心配だということ。
大宮駅に到着した・・・・。兄が座る予定のいすに、お兄さんが現れないまま新幹線は大宮駅を後にした。
「どうしたのかしら・・・?」
心配する女性に、
「間に合わなかったのかもしれませんね」 と応えるしかなかった。
「宇都宮駅」に新幹線が止まる。すると、このお兄さんがふらっと現れ、女性の隣りに座った。
大宮駅に1時間前に到着したお兄さんは、そのまま1時間前の新幹線に乗車してしまい、車掌さんに事情を説明したところ、「宇都宮駅」でこの新幹線に乗車させてくれたのだそうです。
その後は止まる駅ごとに、ご兄姉が続々乗車。思い出話に花が咲く。その傍らで話を聴きながら、東京駅で買った駅弁を美味しく食べさせてもらいました。
もうすぐ仙台駅・・・・。女性にお別れのあいさつをすると、かばんから何やら取り出し、私の手にそっと手渡してくれた。
「兄姉たちと会うこの日のために作ってきたの。かわいいでしょ!楽しく旅ができたお礼にもらってちょうだい。」
仙台駅で降りた私に、この兄姉たちは、見えなくなるまで社内で手を振ってくれていた。
「さぁてと!役割を果たしに向かいますかぁ!」
「袖すり合うも多生の縁」
仙台は東京よりも寒さ厳しく、でも、心はほっこり暖かく目的地に向かうのでした。
宮城県仙台市へ!
みま~もくんも一緒です・・・。
↓

ありがとうございました・・・・。
↓