大田区発の地域包括ケアシステム-おおた地域見守りネットワーク(みま~も)

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2007.10.21今、医療と介護を一体として考える必然性
  •  平成18年4月、5年を経過したその経緯を踏まえ、介護保険制度として初の改正が行われた。
     確かに介護保険制度として初めての大幅改正、そこから「介護予防」「地域包括支援センターの役割」等、様々な変更点を考えていくことも出来ると思うが、改正点の狙いは見えてこない。
    この18年4月は、じつは、医療保険制度と介護保険制度の初の同時改正こそ、キーワードとなっている。
     
    医療・介護療養病床の再編は、長期入院者の増加抑制を目的に、平成24年には病床自体をなくす方向に向けた。
     今まで長期入院をしていた医療依存度の高い患者たちは、介護保険施設、有料老人ホームなどの施設、または、在宅へ行かざるを得なくなる。
     そこで、在宅・介護施設へので24時間往診、ターミナルケア等を行う要となる在宅療養支援診療所をつくり、そこに別格となる医療報酬を与えている。
     今後、医療依存度が高く、重度な利用者が施設・在宅に増えていくが、平成18年4月以降、在宅支援診療所と施設・在宅の専門職種との連携の形は見えていないように感じる。
     
    来年4月の医療法改正(介護保険制度は3年に1度だが、医療保険は2年に一回)に向けて、医療の現場では、疾患ごとの連携パスが「地域完結型医療」を目指して各地域で活発な取り組みが始まっている。
     
    疾患ごとに、「連携パスの対象の患者に対し、連携パスに基づいた診療計画を説明し、その診療計画を文書にて患者・家族へ提供した場合、(退院時は退院後の療養計画を患者・家族そして、紹介元の連携医療機関に渡した場合に)入院時は地域連携診療計画管理料が、退院時は地域連携診療計画退院時指導料が算定できることになる。
     対象疾患としては、大腿骨頚部骨折・脳卒中などである。「連携パス」とは、簡単に言えば、各疾患に対して、共通の書式に基づき、診療、退院に向けた取り組み、退院後の連携を計画的に行うことである。
     
    重要なのは、この連携パスは「地域連携パス」として、かかりつけ医→急性期病院→回復期病院・施設→そして、維持期として、かかりつけ医はもちろんのこと、介護保険施設・在宅(ケア・生活)も含まれた検討が行われていることである。
     
     今でも入院していた利用者の病名、入院中のリハビリ内容退院時の情報が少なく、退院後の調整やサービス事業所との内容の確認がとれず、苦労しているケアマネージャーの方も多いと思います。
     この疾患ごとの地域連携パス書式作成にあたっては、医師・看護師・PT・OT・ST・ケアマネージャー・MSW・栄養士・介護施設等多職種によるワーキンググループでの討議による作成が必須でしょう。
     残念ながら、我が大田区は、この地域連携パスに関しては、後進地域で地域の中での主体的な舵取りをする病院も決まっていません。
     私たちの所属する医療法人もやっと、院内での論議が始まった段階です汗;
     
    この地域連携パスの取り組みを通して考えているのは、地域ケアの総合力・包括性が今、試されている時期だということ。
     難病でも、重度障害でも、末期がんでも、認知症でも、おそらく誰でも同じ共通の思い「生まれ、友と出会い、子を育て、たくさんの思い出がある、そして何より我が家があるこの地域でできる限り暮らしたい」という大部分の方の個人の尊厳を、地域医療・保健+地域福祉+介護サービス+地域住民のつながりで実現させていく・・・。
     そのための大動脈のような太く・流れのある地域連携パスをつくりたいと思っている。
     
    さわやかな写真をどうぞ。東名高速富士川インターから望む秋空のもと、どっしりたたずむ富士山。絶景です。
               ↓
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