仕事帰り、外はしっとりと冷たい雨が降っていた・・・・。
踏み切りを渡ろうと思って待っていたが、上下線とも一番電車が多い時間、なかなか踏切が開かない。
目の前で、女学生が自転車を支え、傘も差さずに雨にぬれながら踏切が開くのを待っていた。かばんも荷物もびしょびしょになりながら・・・・。
そこへ、初老の女性が歩いてやってきた。女性は踏み切りの前に来ると、動作を止めることなく、自然に学生に傘をさしのべた。
「参っちゃうわよねぇ~。ぬれちゃうからもう少しそばに寄って!」
後ろで見ていた私・・・。学生は最初戸惑っていたが、女性の傘に近づき、いつしかそこに会話が広がっていった。
べつに少し濡れるだけ。傘を差し向けられなくても何とかなる。でも・・・・、
このように自然に傘を差し向けられると悪い気はしない。人のさりげない善意に、思わず傘の中に入ることができる。
「傘がちょっと小さいみたいね。ごめんね」
「いいえ、ありがとうございます!」
自ら人との関係を絶つ人たちがいる。人との関係性から遠のいている人たちがいる。
でも、誰が好き好んで関係性を絶つ人がいよう!さまざまな人生の中の要因で、今現在そうなっているだけ。最初から人との関係がない人などいない。
そこを信じましょう。断られたら、また手をさしのべればいい。人の心は日々変化するもの。
「手をさしのべられるのを拒否する人、迷惑と思う人」そんなことはないんです。さりげない善意に戸惑っているだけ。
まちがいなく言えること!
いくらその人が、人との関係性を拒んでいようと、誰かが手をさしのべればその人は見える景色が変わるということ。とくに、弱い体場に立って、自分ではどうにもならない状態でいればいるほど、見える景色が変わるんです!
私はそう思っています・・・・。
そうこうしているうちに踏切が開く。
「こんな雨で傘も差さないで・・・・、大丈夫?家は近いの?気をつけてね!」
「はい!ありがとうございます!」
二人は踏み切りを渡って、そこから分かれていった・・・。
この話しの題名が、どうして
「優先順位」?
そう思っている方も多いはず。
じつは、女学生の後ろにいた私も、大きな荷物を両手に持って、傘も差さずに立っていたんです・・・
傘を持った女性は、そんな私の前を通り過ぎ、学生に傘をさしのべたのです・・・
いいんです、全然いいんです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!
このような、人たちの心の行き来が地域中に広がれば、まちがいなく何かが生み出されるはず。そんな思いを、二人の後ろから見ていてふっと感じました。
びしょびしょになりながら・・・・・・・
見る、見える景色は日々変わるんですよね・・・。
↓
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
笑えるね!
でもカゼ引かないでね!!