我が包括支援センターの地域に、一人で暮らしているAさん。
もう約1年前になりますが、このAさんからある依頼をされていた。それは、
「遺影の写真を撮ってほしい・・・ 」
Aさんから写真の依頼があった時の記事、「私をきれいに撮って!」はこちらをクリックしてご覧ください!
この依頼を、今日やっと実現することができました。
11時、Aさん来所!
撮影の準備をしている間に、女性職員と一緒にAさん奥の部屋へ・・・。(着替えと化粧直しのために)
スーツに着替え、薄化粧を施し、胸にはずっと大切に持ち続けてきたブローチを付けていた。
Aさんに話を聞くと、昨日は、床屋で顔そりをしてきたという・・・。今日のこの日を迎えるAさんの思いが痛いほど伝わってくる。
事務所内の白い壁をバックに撮影するつもりだったが、
予定変更!
「Aさん、天気もいいし外で写真撮ろう
」
今日を特別な思いで迎えたAさん。こんなAさんを撮影するのは、外の方がいい・・。
勢いのある緑の木々をバックに、Aさんの今日の表情はピッタリ!日差しを受けて、胸に付けているブローチが、いのちの輝きを演出する。
撮影したものを、職員とAさんみんなで見合う。職員からこんな心からの言葉が行きかう。
「Aさんきれい!!」
役割を果たし、帰宅するAさんを見送る。Aさんの小脇にはできあがった写真がある。
遠方にいる妹さんへ万が一のために送っておくためのものと、
遺影ではなく、「ポートレート」として家に飾っておくためのものと、2枚Aさんにプレゼントしたものだ。
人は、誰にも訪れる「万が一」のための準備を考える。それを特別なこととして触れずに避ける必要はない。
それよりも、この万が一のことを一人きりで考えるより、そこに自然にいてあげる存在があった方がいい。
重く考える必要はない。重く受け止め、どっぷりそばにいられることを多くの人は望まない。ただ、一人で考えて、どうにもつらく、重くなりそうな時に、話せる人がいる、話せる場がある。それだけでいい。
「また来るわね。所長さんどうもありがとう!!」
普段通りに、Aさんは帰っていった。
Aさんの思いが伝わったのか?快晴の中、撮影ができました。とびきりのポートレートをお見せできないのが残念です。
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