大田区発の地域包括ケアシステム-おおた高齢者見守りネットワーク(みま~も)

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2007.10.5大切な夏の思い出
  •  ケアマネージャー時代から関わっていたSさん・・・。
     脳梗塞による麻痺が残り、回復期リハビリテーション病棟から退院。本人の強い機能回復への意志もあり、通院でのリハビリ、在宅でのリハビリと奥さんとの二人三脚で自宅内移動も可能になりました。
    日々リハビリにがんばっている様子を、実演を交えて話してくれるSさんに、毎月の定期訪問で会えることが楽しみだったことを昨日のように思い出します・・・。
     
    奥さんから前立腺ガンで、転移もあり、余命半年と、医師から話しがあったことを伝えられたのは昨年の初めでした。
     奥さんは性格や様々なことを考えて、Sさんに告知をしないことを決断しました。
     脳梗塞後、様々な病気についての本を読んで学習しているSさんが、先々気がつかないことはありえません。
     ただ、「今、機能回復が目に見えた形で見えている夫に告知はできない!」という奥さんの意向を踏まえ、「膀胱炎」と本人には説明することとし、主治医を含めた病院関係者、介護事業所含めてサポートしていくことになりました。
     その後も、入退院を繰り返し、今年の夏の初めには、在宅療養は不可能となり、入院を余儀なくされる。
     入院も長期間続き、入院中のリハビリも車いす座位保持が中心で、10分ほどの外出がやっとという状態になりました。
     それでも、10分の外出が可能なときには、必ず病院裏の私たちがいる包括支援センターの事務所へ来てくれました。
     がんばってリハビリを行っていた麻痺のある腕は拘縮が進み、来るたびにやせ衰えていくSさん・・・。
     それでも、顔を見に来てくれるSさんに、「何を話せばいいのだろう・・・」と、当初は複雑な思いでした。
     しかし、一緒に来る奥さん、理学療法士と、日々成長していく「包括菜園」のトマトやピーマンの様子をうれしそうに見てくれているSさんに、いつしか定期訪問でSさん宅へ会いに行くのが楽しみだった自分のまま、接していくことができたと思います。
    トマトが赤く稔り、収穫したトマトを最初に食べてくれたのもSさんでした・・・トマト
     病院での食事量も減り始めている頃でしたが、病室で奥さんの分も食べていただけたそうです。
     トマトの時期も終わりかけた9月・・・。
     病棟から連絡が入り、亡くなる前日に病室でお会いすることができました・・・。
     包括菜園になっていたトマト4粒を握りしめ、病室に行きましたが私から声をかけるだけで、Sさんの話を聞くことはもうできませんでしたが、手をしっかり握りしめてくれました。
     当初の奥さんの意向通り、最期までSさんには告知しませんでしたが、Sさんも最期まで奥さんにも誰にも「病気について教えてほしい!」とは言いませんでした。
     Sさんは、病気に気づいていなかったことはなかったと思います。きっと、奥さんの気持ちをわかっていて、本当の病名について聞かないことを貫き通したんだろうと思います。
    後日、奥さんが事務所に来てくださいました・・・。
     棺には、「包括菜園」のトマトを入れてくださったそうです・・・トマト
     本日、Sさんのことをこのブログに書いていいかどうかを尋ねるために、久しぶりに奥さんに電話をしました。
     喜んで了承してくれ、私たちが10月末に企画している「認知症セミナー」にも参加してくれることになりました。奥さんとはこれからも関わりが続いていくことでしょう。
    認知症セミナーの詳細についてはこちら↓
    http://www.makita-hosp.or.jp/nearh/02n-seminnar.html

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