大田区発の地域包括ケアシステム-おおた地域見守りネットワーク(みま~も)

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2011.3.10みま~もが考えるネットワーク理論①~組織編~
  •  おおた高齢者見守りネットワークを発足し、3年間取り組んできた中で、改めて、自分の頭をすっきりするために、そして、どんな人とも共通の認識を持てるために、図式化して考えてみました。
    おおた高齢者見守りネットワークが描く、「元気なうちから医療・保健・福祉の専門職と日常的に関わり、介護が必要になったら早期に介入が可能となる仕組み」を図にしてみました。こちらをクリックしてご覧ください。
     まずは、この取り組みの特色は、地域の介護事業所、医療機関、民間企業にに呼びかけ、ともに定期的な地域住民向けのセミナーを開催していくことを基本としています。
     事業所や医療機関、民間企業は、この取り組みに「協賛」という形で参加します。
    介護事業所にとっては
     地域包括支援センターが積極的に関わっている取り組みに関わることで、「日常の連携や相談も含めて協力体制ができる・・・」という思いもあり、また、他のサービス事業所とのネットワークも可能になる。これが、協賛事業所が増加している要因です。
    医療機関や、各専門の職能団体にとっては
     自分たちが持つ専門だけでは、今後の高齢社会の進展に専門を発揮することができないという認識があります。
    例えば、医療機関でいうと、ある程度の治療が終われば、退院か転院、施設入所になるが、今までは患者には、家族・親族がいて、その人たちに話せば、納得の有無に関わらず諸手続きを行なってくれた。
     だが、一人暮らし高齢者、高齢の夫婦のみ世帯が増加する中で、家族や親族に依頼することができない。だからこそ、「在宅の他職種との連携が必要」だという認識がだいぶ広がっている。
     また、職能団体で主催する研修やセミナーも、チラシを配れば来るかというと、なかなか参加者が集まらない。おおた高齢者見守りネットワークと共催で行なうことによって、毎月セミナーに参加している100名近くの参加者に呼びかけることができ、また、自分の専門と、在宅の各専門職との共催によって、取り組みに幅ができる。
    民間企業にとっては
     もちろん「社会的貢献」という命題もありますが、何より高齢化の中で、自分たちの企業の今後の展開を模索していくことが求められている。しかし、高齢者層のどこに、自分の企業が展開していけばいいのかがわからない・・・。
     そんな中で、地域の元気な高齢者の人たちがどんなニーズを持っているのか?を、肌で知ることができ、なおかつ、医療・福祉専門職から意見も聴くことができる。
     こんなそれぞれの関わる中でのメリットがあり、関わる事業所・企業が増加しているのではないでしょうか?
     もちろん、この会を利用するという考えだけではありません。そこに属する が、かかわりを通して理解と、やりがいを見出して協力してくれている部分も大きいと思います 
     このように協賛事業所・企業が増えることにより、地域での他職種連携が可能となり、企業努力による制度外の多様な社会資源が生まれ、育まれていく・・・。
     このおおた高齢者見守りネットワークの特色である、あらゆる事業所、企業との「協賛」という連携体制は、行政主導では難しいでしょう。
     ただ、地域包括支援センターなら可能です。それでも、母体である法人との関係からいって難しいこともある。
     だから、地域包括支援センターが横の協力体制を創るのです。
     自治体すべての包括支援センターが取り組むことになれば、チラシなどの作成や、機関調整など、事務局機能を持つ、拠点となる包括支援センターを明確にする。
     この部分での行政の役割は大きいかもしれません。
     このような、ネットワークに関するコーディネートの機関となる包括支援センターには、『ネットワークコーディネーター』 (仮称・・・何でもいい) という人員をきちんと置くべきだと思っています。
     現場の包括支援センターにとって、法人の理解というのは、気になるところ・・・。そこまで負担をかけてはいけない。
     そこに対しては、行政が、法人への理解を計らうべき役割だと思います。きちんと現場の包括支援センターが、ネットワーク構築に迎える体制を整えることが大切です。
    行政サイドとしても、このような具体的な役割に、人員を補充することは、ただ、忙しいから人員増というよりも、明確な基準でよろしいのでは?
     すべての包括支援センターが、このような形で取り組むのであれば、各地区で行なうセミナーの講師などは、共通であったっていい。各事業所への協力呼びかけも、各包括支援センターがばらばらに行なうのではなく協力して行なうこともできる。
     要は、各地域包括支援センターにとって、最初のネットワークを形作る部分での労力が大きい。(経験を通して・・・  )
     この最初の部分を、共同で行なうことによって、包括支援センターのネットワーク構築に対しての負担とプレッシャーを取り除いてあげるんです。
     共同でやる部分は協力し合う!そして、各地域特性に応じた取り組みは、この共通の面のネットワークを活用して行なっていく。土台があるから、地域特性に応じた取り組みも行ないやすい!
     みま~もが取り組むネットワーク理論。今回は、とくに行政・包括支援センターに焦点をあてたネットワークの土台の部分について。
     そして、協賛事業所・企業を巻き込むポイントについてを整理してみました。PDFのデータを参照しながら読んでみてください。
     次回は、「SOSみま~もキーホルダー登録システム」を活用した、ネットワーク理論について書いてみようと思っています。
     
    当包括支援センター玄関前にある「包括ガーデン」も、花が咲き、春の気配が近づいています。
               ↓ 
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    春の気配といえば、冬眠から目覚めた動物たちも、ハイテンションで春になった喜びを表現しています。  (当医療法人の訪問リハビリスタッフ)
               ↓
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