2月12日、おおた高齢者見守りネットワークが年に1回開催している『 認知症セミナー ~認知症の人と歩む町に~ 』が、雪の降る寒い日の中、180名の参加で終わった・・・。
この認知症セミナーの詳細な様子は、また、後日するとして・・・・
認知症セミナーの開場時間になった・・・・。
寒い中、さまざまな方角から杖をついたり、シルバーカーを押してきたり、毎月のセミナーを通じて顔見知りになった人たちがやってくる。
そんな中、Bさんがシルバーカーを押しながらやってきた。
Bさんは、ほぼ毎回、セミナーにこうしてやってきてくれる。いつ頃からでしょうか・・・?来るたびに、必ず私に声をかけてくれて、この間の様子を話してくれる。
今日も、受付を済ませ、私を見つけるとこう話しかけてくれた。
「今日もがんばって来れたわ!毎回ありがとう・・・。私ね、3月で95歳になるの・・・
」
そういえば、昨年の認知症セミナーのときも、Bさんは、「私ね、93歳なのよ!もうすぐ94になるの・・・」と、言っていたっけ
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95歳になるBさんと記念撮影・・・。「ちょっと待って!写真撮るなら、コートをを脱いでからでないとね!!」
はい、ポーズ
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セミナーが終わり、出口では、2部の公演を終了した『わらび座』のみなさんが、帰る人たちに握手をして出迎えていた。
「沢○さぁ~~~~ん!わらび座の人と一緒に写真とってくれるんだって!あんたも入って、入って
」
みま~もレストランに毎月参加しているCさんが呼んでくれている。
言われるがまま、「パタパタ・・・・・
」 と、Cさんのところへ飛んでいった!
「はいポーズ
」
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Bさん、Cさん・・・。この二人、介護保険サービスはまだ利用していない。
おおた高齢者見守りネットワークの取り組みをしていなければ、きっと、まだ私たち医療・福祉専門職と出逢ってはいないだろう。
そして、何かがあって出逢うことになる。もしくは、出逢わない。
元気なうちから、こうして、定期的に出逢う機会をつくる。自分たちを知っておいてもらう。身近に感じてもらう・・・。
私たちも、地域に暮らす人たちの様子を元気なうちからわかっている。このような関係性が一人でも多くの人と結べておくこと。しかも、ごくごく自然な形で・・・・。
これってすごく大切なことと感じています。
「地域包括支援センター」・・・・。そんな名称で、理解しておいてくれなくていい。
「あそこの場所には、沢○さんや、○○さんがいる。あの人たちは、この地域で何かあったら自分の力になってくれる人。何か心配や不安があったらあそこに行けばいい。子どもたちにも、あの人たちのことを伝えておこう・・・」
そんな認識を持っていてくれるだけでいい。
セミナー、レストラン、回を重ねるごとに、私たちがやってることを理解してくれる人たちが増えてきている実感がある。本当に、身近な存在として声をかけてくれるんです
元気なうちから、地域で暮らす高齢者と自然な形でつながりあっている。
その段階で関わることができているからこそ、自分たちの専門性をその人に活かすことができる。
ぎりぎりの段階で、私たちに通報があり、とにかく関わる。このような場合には、専門もくそもない。どうにかするしかない・・・
このまま、何もせず、窓口で相談を待っている・・。これでは、ますます、急場しのぎの対応しか自分たちはできなくなる。
ただただ「忙しい・・・」で日々を過ごさなければなくなるのは明らか。
だから、定期的に地域に暮らす人たちと、元気なうちから自然な形でつながっていることができる、この「おおた高齢者見守りネットワーク」の取り組みを生み出してきたんです。
傍から見れば、「わざわざ自分たちから忙しい思いをして・・・・。言われてることだけしていればいいのに・・・。」と、感じるかもしれません。
でも・・・・と思う。
日々「忙しい・・・」と、目の前に在ることに追われ、自分が何をやっているのかわからなくなるよりも、とことん、専門職として誇りを持って関わっていくほうがいい。
元気なうちから、身近な存在として地域に根ざす。
これが、自分たちが思い描く「地域包括支援センター」像です。