最近は、我が包括支援センターに入ってくる相談も、多問題化してきています。
以前までは、介護保険の申請を行ってケアマネージャーにつなげれば、ご本人、ご家族も安心して住み慣れた自宅で生活することができていましたが、最近はそれだけでは済まない家族間の問題(とくに虐待)、経済的な問題などなど・・・が増えてきてるんです。
このように困難ケースへの対応について、最近うちの職員からよく相談されます。相談してきてくれることはセンター長としてうれしいことです。
しかも相談してくる内容が、専門職としてしっかり考えなければいけないこと、対する家族やご本人に関わるうえでとても重要なことだったりすると、なおさらうれしく思います。
多問題で困難が予想されるケースについて関わるんですから、専門職だって悩むのが当たり前!!
今日も、同居家族から虐待を受けて、外傷を負って入院された方のことで職員から相談を受けました。
外傷も医療的な処置が済んだため、病院からは退院を具体化するよう迫られる。在宅に戻れば、また、同様の虐待を受ける可能性があるため、キーパーソンである虐待者以外の家族と相談し、職員が近隣の施設に一時入所させました。
しかし、今の施設では金銭的な問題でずっと入所させることはできないという家族の考えもあり、別の施設も職員がいくつかあたっています。
入所後間もなくキーパーソンから「虐待者の精神状態も安定しているから自宅に戻したい」と連絡が入ったとのこと。
帰ればまた同様なことになる・・・、それは専門職として今までの経験から想像できる。ではどうしたらいいのか???
うちの職員としては、やっと見つけた施設。しかも、これが最善の方法。だが、家族は自分の最善の方法だと思っていることとちがう方向で考えている・・・。
この職員には、「家族が自宅に戻したいというなら、どちらにしてもサービスが必要なので、もう一度会う機会をつくろうと家族に話してごらん」と話しました。
そしてキーパーソンであるご家族にもう一度、自宅に帰ったら同じようなことが起こる可能性があることを認識してもらう。今度同じようなことがあれば、ご本人も生命の危険がある。虐待者もそのような行為に及べば、自宅で日常の生活を送ることができなくなる。
虐待者も被虐待者も、キーパーソンの方の家族。考えられる危険性、予測できる最悪の可能性にはしたくないと考えている。ただ、考える材料がない・・・。例えば、精神疾患を抱えている虐待者であれば、被虐待者が戻ればまた精神不安定になる・・・、という予測が当事者である家族にはできないことだってあるんです、同じような事態になるということを考えたくないということも・・・。
そこに、専門職として回避するための選択肢を伝える。選択肢を伝えたうえで、当事者として
考えてもらうんです。当事者として最善の方法を決定してもらうんです。このケースには幸いにもキーパーソンがいるんですから・・・。
うちの職員はこのケースに関する対応について、私と一緒に話し合ったらすぐキーパーソンの方に連絡をしてました。
そして会う日を、私が空いている日程で決めちゃってました
上記のような視点で、一緒に関わろうと思います。
様々な問題を抱えている方々への関わりは、今後増加の一途でしょう。
似たようなケースだからと、以前うまくいった関わりと同じようにすればうまくいくかというと、
そうは問屋がおろさない。
そういう職業が私たち人とかかわる専門職のつらさです。
同じ
方法は二度と通用しません。
ですが、専門職としての基本姿勢、視点がしっかりしていること・・・、これは、誰にも、どんな状況でも通用するんです!
問屋が信頼しておろしてくれる専門職になりましょう!
手段や方法として物事をとらえるのではなく、自分の基本姿勢、視点、とらえ方をみつめる。物事を正しくとらえる自分自身の精度を高める。
そのための、相談や話し合いが活発に職員間でできること!これが最近何よりうれしいことだと感じています