大田区発の地域包括ケアシステム-おおた地域見守りネットワーク(みま~も)

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2008.11.27育む(はぐくむ)
  •  当医療法人に来てからまる5年が経過しました。ケアマネ-ジャ-として3年、地域包括支援センタ-に来てからは2年が過ぎたことになります。
     私が居宅介護支援事業所管理者だった当時の大田区は、給付抑制の名のもと、ケアマネ-ジャ-の作成したプランを全く尊重せず、外出同行介助、同居家族がいる場合の生活援助サ-ビスも、必要性があろうがなかろうがすべて不可。
     しまいには「仕事でいないのは家庭の都合」とまで言われたケアマネ-ジャ-もいました。
     また、抜き打ちで突然連絡が入り、ある特定の利用者のプランを持ってくるようケアマネージャーに、個別に呼び出しがかかる。そして「サ-ビスが過剰、なぜこのサ-ビスが必要なのか?」専門職がたてる計画を執拗なまでに責め立てる。
     このような追及をされては、新しいケアマネ-ジャ-などは自分の確固とした意見も言えません。
     確かに、専門職としての計画の未熟さや、自分がたてたケアプランにもかかわらず、呼び出しされて責任をもって堂々と説明もできない。行政のやり方に意見も言わない、言えない、当時の私たちケアマネ-ジャ-集団がいたのも事実です。
     行政の当時介護給付関係の責任者だったAさんの対応を、百歩譲って前向きに考えると・・・、
     「私たちが給付抑制を通し、ケアマネ-ジャ-を育て上げなければ・・・、ケアマネ-ジャ-の質の向上ができるのは私たち!」という使命感で、あのような動きをしていたのかもしれません。
     しかし、どう百歩譲っても、当時の担当行政職員の対応は、「まちがいでしたよ!」としか言えません。
     ケアマネージャー集団の質の向上や、スキルアップを少しでも考えた上での対応だったのならば、それは、育てる、成長を育んでいく筋道を通さなければいけなかったと思います。
     行政の立場での個別の呼び出し、一方的な批判の行く末は、ケアマネージャーを委縮させ、利用者・家族の適切なアセスメントに基づいたケアプラン作成能力、ケアマネージャーという専門職としての自覚までも失わせました。
     給付抑制という前提に基づいた画一的なプラン作成、本人や家族から苦情が出ても、「制度でそうなっているのでできません」というしかない・・・。家族や本人からの苦情を、担当ケアマネージャーが一人で負うことも多くありました。
     あれから5年あまり・・・、大田区も大きく変わりました。今年、大田区介護支援専門員連絡会が発足。時を同じくして、主任介護支援専門員連絡会も立ち上がり、行政も、専門職を尊重した姿勢に大きく変化したと思います。
     育んでいくということは、集団が自覚的になっていくことへの支援や、集団に働きかける経緯がなければなりません。個人が個人へ働きかけても、持続的なスキルアップにはつながらないんです。集団がきちんとあれば、個人個人もその中で育っていくのではないでしょうか。
     様々な歴史をふまえ、今の大田区の高齢者福祉のあり方がここにあります。私は、今、向かっている大田区の高齢福祉の方向を支援し協力したいと思っています。
     他職種、他機関が本当の意味で連携を強化しあう、それがあって初めて、ここに暮らす人たちが、住み慣れたこの大田区でこの地域で安心して暮らせることにつながるのですから・・・。
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